咳や鼻水には尺沢（しゃくたく）のツボが効く！場所・効果や押すと痛い原因も

昔は手首の関節から肘までを1尺として、前腕を「尺部」と呼んでいました。「沢」は水が集まる低いくぼみを指します。尺部にあるくぼみに位置するため尺沢と名付けられました。

東洋医学において、尺沢の位置する太陰肺経の経絡は、肺の気の流れを整える働きがあるとされています。せきや鼻水などのかぜ症状や喉の痛みに効果的なツボです。

尺沢は肺などの呼吸器に関連する経絡上にあります。詳しい位置や見つけ方について、図解とともに紹介します。

左右それぞれの肘前部に存在します。上腕二頭筋腱の外側にある陥没部が尺沢です。

肘を曲げたときにできるシワのライン上に位置しています。親指側のシワの端の、少し凹んでいるところが尺沢のツボです。押してみて痛いような、気持ちいいような場所です。

尺沢は押しやすい場所にあるツボです。特に咳に効果的で、即効性もあるといわれるので不調を感じたらすぐに押しましょう。かぜ予防にも繋がるため、ツボ押しを日常生活に取り入れることもおすすめです。詳しい押し方を紹介しますので参考にしてください。

※飲酒後や空腹時、妊娠中、血圧上昇時、具合の悪い人はツボ押しを避けてください

痛気持ちいい範囲内で、少し強めに押しましょう。親指の先でグリグリと押すと強めの圧をかけることができます。ゆっくりと深呼吸をしながら行ってください。咳止めに効く他のツボも併用して押すとより効果的です。

尺沢は呼吸器系の症状から、消化器系、泌尿器系、生殖機能、整形外科系の症状までさまざまな効果が期待できます。主な効果・効能は以下のとおりです。

特に効く効果として咳やたん、鼻水などのかぜ症状、喉の痛み、尿もれ・尿失禁について詳しく紹介します。

尺沢は咳やたん、鼻水、口の乾きなどのかぜ症状を緩和するといわれています。肺の気の流れを整えるツボで、特に咳には即効性が期待できます。症状の改善だけでなく、予防目的やかぜの後に咳だけが残った場合にもおすすめです。

ただし、咳が長く続くようであれば、症状が悪化して気管支喘息や肺炎などの重い疾患に繋がる恐れもあります。ただのかぜだと軽く考えずに、早めに医療機関を受診しましょう。

喉の痛みや喉の違和感を感じるときは、ウイルスや細菌が粘膜に付着して、扁桃腺が炎症を起こすことで腫れていることがよくあります。尺沢は呼吸器の炎症を鎮めて、腫れた状態を改善する効能があります。

扁桃腺は喉から侵入したウイルスや細菌が、体の内部に入らないようにする重要な免疫器官です。尺沢を刺激して扁桃腺の調子を整えることで、かぜを始めとした感染症の予防につながります。

尺沢は「肺経の合水穴」です。合水穴とは、「水」の性質をもつツボで、汗な尿などの水の性質のものが漏れている状態を改善します。

東洋医学において、肺の経絡は水分の代謝を整える働きがある場所です。尺沢を刺激することで停滞した気の流れを整え、肺機能を高め、尿もれや尿失禁に効果が期待できます。

ツボを押すと痛いのは、対象の臓器や器官に不調を抱えていることが原因ともいわれます。尺沢は肺経の経絡上にあり肺との関わりが深いツボであるため、呼吸器の調子が悪い可能性も考えられます。ツボを押すとあまりに痛いときや、不調が続くときは医師に相談しましょう。

尺沢は咳や鼻水、喉の痛みなどのかぜ症状に効くといわれるツボです。他にも消化器系や泌尿器系、生殖機能、整形外科系など、さまざまな効能が期待できます。

咳が出やすい人やかぜを引きやすい人は、症状を改善させたいときだけでなく、尺沢のツボ押しを日常生活にとり入れて予防しましょう。

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