足の付け根(外側)が痛い時のストレッチ|原因を理学療法士が解説
足の付け根にある股関節の外側が痛いと感じたことはありませんか。股関節が痛い場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。この記事では、足の付け根が痛む原因や【理学療法士監修】女性におすすめの寝ながらできる股関節ストレッチを紹介するので参考にしてください。
目次
- 足の付け根の外側だけが痛い原因は?
- 股関節に負担のかかる姿勢をしている
- 変形性股関節症を発症している
- 他の病気の可能性も
- 足の付け根の外側が痛い時におすすめのストレッチ3選
- 足の付け根(外側)のストレッチ①寝ながらできる足の付け根の外側ストレッチ
- ①仰向けに横になり、膝を立てる
- ②痛みのある足に反対の足をのせる
- ③痛いほうの膝を内側にたおす
- ④30秒キープしてゆっくり元の位置に戻る
- ⑤反対側も同様におこなう
- 足の付け根(外側)のストレッチ②立ってできる足の付け根の外側ストレッチ
- ①まっすぐ立つ
- ②痛いほうの足を後ろに引き、足をクロスさせる
- ③両手を前に出す
- ④前側にある足の方へ前屈する
- ⑤20秒キープしてゆっくり戻る
- ⑥反対側も同様におこなう
- 足の付け根(外側)のストレッチ③座ってできる足の付け根の外側ストレッチ
- ①両足を伸ばして座る
- ②痛いほうの足が下側になるように身体を横に向ける
- ③上側の膝を立てて、痛い足側の手を肩の真下の床につける
- ④脇腹を斜め上の方向にねじり、引き上げる
- ⑤30秒キープして元の姿勢に戻る
- 足の付け根(外側)のストレッチのポイントは?
- 片方のみ痛くても、両方の足をストレッチする
- 毎日継続しておこなう
- 強い痛みがある場合は行わない
足の付け根の外側だけが痛い原因は?
歩くと急に足の付け根にある股関節の外側が痛い、違和感を感じるという場合、何が痛みの原因となっているのでしょうか。痛みが強く不安な場合は、自分で判断せず、医療機関で検査をすることをおすすめします。
ここでは、股関節のある足の付け根の外側だけが痛い場合の原因や考えられる疾患について解説します。
股関節に負担のかかる姿勢をしている
足の付け根の外側(股関節)が痛い場合、長時間股関節に負担のかかる姿勢を取っている可能性があります。例えば、長時間のデスクワークや中腰姿勢での仕事など同じ姿勢が続いたり、女性は妊娠でお腹が大きくなることで股関節が圧迫されたりして、血行不良を起こします。
血行不良を起こすと、筋肉も硬くなり、歩くと急に股関節が痛むといった症状を引き起こすのです。
三好裕也先生
理学療法士
体幹やインナーマッスルが弱くなっていることも股関節が痛くなる原因になります。日常生活で太ももの筋肉に頼るクセがついていることで筋肉が硬くなり、股関節周りの血行不良を起こします。ストレッチと合わせて、手軽に体幹を鍛えることができるピラティスを取り入れるのがおすすめです。
変形性股関節症を発症している
股関節の痛みの多くは変形性股関節症発症していることが原因といわれるほど、股関節の違和感や痛い場合の原因になりやすい症状です(※1)。変形性股関節症とは、加齢や股関節に負担がかかるスポーツなどが原因で、クッションの役割を果たしている軟骨がすり減り、痛みが出ます。
股関節周りの筋肉をストレッチなどで伸ばすと、股関節周りの筋肉が緩み可動域が広がり、痛みを緩和させることが期待できます。
他の病気の可能性も
・転子性滑液包炎
・鼠径ヘルニア
・股関節骨折
その他、股関節の外側にある骨の周辺にあるクッションの役割を果たす体液を包んだ袋状のものが炎症を起こす、転子性滑液包炎や股関節骨折などが足の付け根の外側(股関節)の痛みの原因として考えられます。
炎症が起きて痛みが強い場合や骨折が疑われる場合は、自分で判断してストレッチをするのではなく、まずは医療機関を受診しましょう。
足の付け根の外側が痛い時におすすめのストレッチ3選
足の付け根にある股関節周りの筋肉をストレッチなどで柔軟に保つことで、血行が良くなり足の付け根の痛みも改善する効果が期待できます。ここでは足の付け根にある股関節の外側が痛い時におすすめの簡単股関節ストレッチを3つ紹介します。
足の付け根(外側)のストレッチ①寝ながらできる足の付け根の外側ストレッチ
歩くと足の付け根の外側が痛い、違和感を感じる場合は硬くなった股関節周りの柔軟性を高めることで、痛みを改善する効果が期待できます。ここでは、寝ながら簡単におこなえる、女性や筋トレ初心者におすすめなストレッチを紹介します。
①仰向けに横になり、膝を立てる
膝を立てて仰向けに寝ます。足幅は拳一つ分程度開いておきましょう。
②痛みのある足に反対の足をのせる
痛いほうの足の太もも付近に反対側の足を絡めるようにのせます。足を絡ませられない場合は、のせられる位置に足を置きましょう。
③痛いほうの膝を内側にたおす
ゆっくり自分で痛いほうの膝を内側に倒します。この時、急に倒すと股関節が痛みやすいため、息を吐きながら強い痛みを感じる手前まで倒しましょう。
④30秒キープしてゆっくり元の位置に戻る
膝を倒した状態で15~30秒程度キープします。その後、息を吸いながらゆっくり元の位置に戻りましょう。
⑤反対側も同様におこなう
反対の足も同様におこないます。両足交互に2セットおこないましょう。
足の付け根(外側)のストレッチ②立ってできる足の付け根の外側ストレッチ
立った状態でできる足の付け根のストレッチを紹介します。立ったまま行うことができるため、立ち仕事の合間やデスクワークの休憩時におすすめです。
①まっすぐ立つ
足を肩幅に開き、つま先はまっすぐ前を向けてまっすぐ立ちます。目線はまっすぐ前を向きましょう。
②痛いほうの足を後ろに引き、足をクロスさせる
痛いほうの足を斜め後ろに引き、足をクロスさせます。妊娠中の女性はバランスを崩しやすいため注意しておこなう、または控えましょう。
③両手を前に出す
手のひらを下にして、両手を正面に伸ばします。肘は曲げずに肩の高さでまっすぐ伸ばしましょう。
④前側にある足の方へ前屈する
息を吐きながら、前足の方向へゆっくり前屈をします。この時、両手を前足の外側のほうへ伸ばすことでより痛いほうの股関節と側面にストレッチを実感できます。
⑤20秒キープしてゆっくり戻る
前屈のストレッチは呼吸が止まりやすいため細く長い呼吸を意識しながら20秒キープします。
⑥反対側も同様におこなう
息を吸いながらゆっくり元の体勢に戻りましょう。反対側も同様におこなっていきます。
足の付け根(外側)のストレッチ③座ってできる足の付け根の外側ストレッチ
床に座った状態でおこなう足の付け根の外側ストレッチを紹介します。このストレッチは上体をねじり引き上げる動作が含まれるため、お腹の大きな妊娠中の女性は控えましょう。
①両足を伸ばして座る
両足を前へ伸ばして座ります。両手は体側に沿って置きましょう。
②痛いほうの足が下側になるように身体を横に向ける
股関節の外側に痛みを感じるほうの足が下になるように、体を横に向けます。この時、膝は曲げずに伸ばしたままの状態で横を向きましょう。
③上側の膝を立てて、痛い足側の手を肩の真下の床につける
上側の膝を痛いほうの足の前で立てます。床に足の裏をしっかりとつけて膝を立てましょう。痛いほうの手は肩の真下の位置で床をとらえ、身体を支えます。
④脇腹を斜め上の方向にねじり、引き上げる
下側の脇腹を斜め上の方向に引き上げるイメージで体を持ち上げます。肩に力が入らないように脇腹に意識を向けて引き上げましょう。
⑤30秒キープして元の姿勢に戻る
脇腹に意識を向けて引き上げた状態で30秒キープします。その後、ゆっくり元の姿勢に戻り、反対側も同様におこないましょう。
足の付け根(外側)のストレッチのポイントは?
股関節がある足の付け根(外側)を効果的にストレッチするには、ポイントを押さえてストレッチを行うことが重要です。ここでは、足の付け根の外側のストレッチを行う際のポイントを3つ紹介します。
片方のみ痛くても、両方の足をストレッチする
肩側の足の付け根の外側が痛くても、両側1セットとして行うようにしましょう。時間がないからと自分で判断して片方の足だけストレッチを行うと、筋肉の柔軟性バランスが崩れ、骨盤の歪みや別の場所の筋肉に負担がかかり、硬くなったり、痛みにつながったりするのです。
両方の足の柔軟性を均一に高めることが重要です。
毎日継続しておこなう
一度硬く凝った筋肉は、数回程度のストレッチでは柔軟性を高めることはできません。毎日継続しておこない、柔軟性を保つことが重要です。初めは簡単なストレッチを週2~3回から始めて、慣れてきたら頻度を増やす、種類を増やしていきましょう。
強い痛みがある場合は行わない
強い痛みや違和感がある場合、患部が炎症を起こしている可能性があります。その状態で急にストレッチを行うと、血行が促進されより痛みが強く出る場合があります。安静にしていても痛いという場合は、まずはアイシングなどで痛みを落ち着かせましょう。
三好裕也先生
理学療法士
何もしなくても痛い、歩けないほど強い痛みがある時は骨折など骨に問題がある場合もあります。痛みが強い場合は整形外科で検査をしてもらいましょう。骨に異常がない場合も鎮痛薬を処方してもらうことで痛みを軽減することができます。その上で筋肉をケアして痛みを改善していきましょう。
足の付け根の外側をストレッチして不調を改善しよう
歩くと股関節の外側に痛みや違和感を感じるという場合、変形性股関節症や筋肉疲労を起こして股関節の可動域が狭くなっている可能性があります。股関節の不調を改善するためには、継続したストレッチや日常生活の姿勢改善が重要です。
この記事では、自分でできる簡単なストレッチを紹介しているので、自分に合ったストレッチ方法で足の付け根の外側をストレッチして不調を改善しましょう。
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