筋膜リリースは胡散臭い?科学的根拠やエビデンスはある?【理学療法士監修】

筋膜リリース(筋膜はがし)は効果がないという噂は本当でしょうか?どの位の期間続ける方がいいのでしょうか?この記事では、筋膜リリースの効果や効果が出る期間を紹介します。セルフでのやり方も紹介するので、参考にして下さい。

専門家監修 |理学療法士 小林瑞穂先生
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幼い頃からスピードスケートを習い、全国大会出場、国体優勝の実績を持つ。自身のスポーツ経験から体の使い方などヘルスケア分野に興味を持ち理学療法士免許を取得。理学療法士...
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幼い頃からスピードスケートを習い、全国大会出場、国体優勝の実績を持つ。自身のスポーツ経験から体の使い方などヘルスケア分野に興味を持ち理学療法士免許を取得。理学療法士として日本鋼管病院に勤務し、幅広い年代の方へ幅広い分野のリハビリを提供。スポーツ分野ではケガの予防に対する研究や指導活動を実施。現在は2児の母であり、ウィメンズヘルスの専門家として森重助産院を中心にフリー活動中。

目次

  1. そもそも筋膜リリースとは?
  2. 筋膜は「筋肉を包む膜」のこと
  3. 筋膜リリースは筋膜のねじれを解消すること
  4. 筋膜リリースが胡散臭い・インチキと言われる理由は?
  5. 誤ったやり方で効果がなかった人が多いから
  6. 正しく施術できる人が少ないから
  7. 科学的根拠があるか不明だから
  8. 正しい筋膜リリースなら効果が期待できる!
  9. 医師または理学療法士の施術を受ける
  10. 手技を使って筋膜をほぐす施術を受ける

そもそも筋膜リリースとは?

テレビや整体院のHPなどで筋膜リリースが取り上げられるようになり、フォームローラーやボールなどを用いて行っているのを見たことがある人もいるでしょう。一方で「筋膜リリースは胡散臭い」などの噂も耳にしたことがあるかもしれません。

整体などでよく見かける「筋膜リリース」とはそもそも何なのでしょうか。

筋膜は「筋肉を包む膜」のこと

筋膜とは「筋肉を包む膜」のことを指します。筋膜は体全体に張り巡らされており、第二の骨格ともいわれているのです。筋肉や骨を包み込んで保護する役割があります。また、組織同士の摩擦から保護したり、筋繊維の動きを支えたりする役割もあるのです。

筋膜はコラーゲン繊維とエラスチン繊維からできています。ストレスや怪我、同じ姿勢で作業を続けることなどが原因で筋膜同士が癒着を起こすと、筋肉の動きが悪くなってしまいます。

筋膜リリースは筋膜のねじれを解消すること

筋膜リリースは、ねじれた筋膜をほぐして解消することが目的です。筋膜リリースとは、筋膜が癒着して硬くなっているのを解放して元のやわらかい状態に戻すという意味合いです(※1)。

具体的には筋膜をさまざまな方向にほぐしていくことで、筋肉の張りやこわばりが解消され、筋肉がスムーズに動くようになると考えられています。

小林瑞穂先生

理学療法士

筋肉は1つの骨に複数ついているため、癒着が生じやすいです。筋膜リリースによって、筋肉同士の滑走性を良くすることで凝りを解消しスムーズな動きができるようになります。

筋膜リリースが胡散臭い・インチキと言われる理由は?

近年、整体でも筋膜リリースという施術が増えました。しかし、筋膜リリースをしたことがない、やってみたけど効果を感じることができなかった人は「筋膜リリースは胡散臭い」「筋膜リリースはエビデンスがないのでは?」と思ってしまうかもしれません。

筋膜リリースが胡散臭い・インチキといわれる理由は何なのでしょうか。

誤ったやり方で効果がなかった人が多いから

筋膜リリースが胡散臭いと思われる一番の理由は、効果を感じなかった人が多いからでしょう。効果を感じられず、胡散臭いと思う人の意見には以下のようなものが挙げられます。

・痛い刺激だけ凝りは解消されていない
・硬くなった筋肉をほぐせているのかがわからない

しかし、効果を感じなかった人の多くは、誤ったやり方で筋膜リリースを行なっている可能性が高いのです。自分でできる筋膜リリースの方法もありますが、硬くなった筋肉の凝りや痛みをほぐすには正しい知識と手技の練度が必要です。

𝙮𝙪𝙢𝙞𝙠𝙤

@yumiko5636

背中が凝りまくっているので筋膜リリースローラーでコロコロしてみたけど効かない。限界超えてる。。。

正しく施術できる人が少ないから

筋膜リリースが胡散臭いと言われる理由には、正しく施術できる人が少ないからという点も挙げられます。

筋膜リリースで正しく施術ができる人
  • 医師
  • 理学療法士

筋膜リリースは簡単に取得できる技術ではないため、一般的な整体では本来の効果を実感できないことが多いです。なぜなら、筋膜リリースは医療現場で行われる治療であり、医師や理学療法士など専門資格を持った人でないと正しく処置はできないからです。

科学的根拠があるか不明だから

「エビデンスがあるか不明だから筋膜リリースは胡散臭い」と思う人もいるかもしれません。筋膜リリースはファシアケアとも呼ばれ、エビデンスは多く存在しています。

徒手療法の一手技である筋膜リリース(Myofascial Release;以下、MFR)は、穏やかな持続した伸張・圧力というその手技の特性から、可動域・アライメントの改善や急性・慢性の疼痛軽減を始めとして、パフォーマンスの向上など幅広く用いることができる。

一般社団法人日本整形内科学研究会では、筋膜リリースではなく「ファシアリリース」と称されています。「筋膜」のみを治療することは現実的には不可能だと考えられているため、「筋膜リリース」ではなく「ファシアリリース」という用語を使用しています。

「ファシア」とは筋や腱、靭帯、皮下組織などの線維性の構造を全てあわらす言葉です。ファシアリリースを実施する方法として注射、手術、鍼、徒手、運動療法、物理療法などが挙げられています。また、ファシアケアという言葉も使われ始めています。

小林瑞穂先生

理学療法士

正しく筋膜リリースを行うためには、解剖学的な知識が必要です。やみくもに筋膜リリースをしてしまうとかえって筋肉を痛めてしまうなどのケガにつながることもあるので専門家の指導をおすすめします。

正しい筋膜リリースなら効果が期待できる!

痛みや凝りの解消といった明らかな効果を実感できず「部位を刺激しているだけ」「胡散臭い」と思われがちな筋膜リリースですが、正しい方法で行えば効果は期待できます。

医師または理学療法士の施術を受ける

筋膜リリースで効果を得るには、医師または理学療法士の施術を受けましょう。痛みや突っ張り感を取り除くことを目的とした注射療法を実施している医療機関もあります。

超音波検査(エコー)の進歩により、筋膜が凝りや疼痛に関与していることがわかってきました。エコーで超音波画像を確認しながら、筋膜に注射で薬液を注入し、筋膜が癒着して硬くなっているところの滑りをよくして症状を改善する治療です。

筋膜の癒着は日常的な動作や生活習慣によって再発すると考えられています。癒着の再発を防ぐためには施術に加えて、理学療法士による正しい姿勢や運動療法の指導を受けることも大切です。

手技を使って筋膜をほぐす施術を受ける

正しく筋膜をほぐすには持続的な伸長刺激と、圧+摩擦の刺激が効果的だと考えられています。

主にゆっくりと穏やかに筋膜を伸ばす手技と、筋膜のツボを探してピンポイントでほぐす手技です。どちらも痛みや不調の改善が期待できると考えられています。

小林瑞穂先生

理学療法士

一度専門家よりやり方を教わり、自主トレーニングをすることは可能です。正しい筋膜リリースの方法を知り、日常的に行うことでより効果を得ることができます。

一度プロの筋膜リリースを受けてみよう

胡散臭いという噂も耳にする筋膜リリースですが、正しく行えば体の凝りや疲れ、痛みなどの不調改善が期待できます。体の不調が気になる人は一度プロに相談の上で筋膜リリースを受けてみましょう。

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