【簡単】大腿筋膜張筋をほぐすストレッチ|硬い原因は?緩める効果も
大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)は骨盤の外側にある筋肉です。大腿筋膜張筋が硬いと、股関節の痛みや腰痛、膝関節痛、骨盤のゆがみを引き起こす可能性があるので注意が必要です。この記事では、大腿筋膜張筋のほぐし方を【ツボ押しマッサージ・筋膜リリース・ストレッチ】などに分けて紹介します。大腿筋膜張筋をほぐすストレッチの効果や硬い時のデメリットも紹介するので、参考にして下さい。
目次
- 大腿筋膜張筋はどこの筋肉?役割は?
- 骨盤の外側を覆っている筋肉
- 大腿筋膜張筋は股関節と膝関節を支える筋肉
- 大腿筋膜張筋をほぐすストレッチ5選
- 大腿筋膜張筋のほぐし方①寝ながらストレッチ
- ①仰向けに寝て右足の膝を軽く曲げる
- ②曲げた膝を内側に倒す
- ③左足の膝を曲げてかかとを右膝にのせる
- ④左側に倒して15秒キープする
- 大腿筋膜張筋のほぐし方②座りながらストレッチ
- ①片手を立てて横向けに寝る
- ②左足を曲げて右足の前に立てる
- ③上半身を起こして大腿筋膜張筋を伸ばす
- ④15秒キープする
- 大腿筋膜張筋のほぐし方③ストレッチ
- ①床に座って片足を後ろに曲げる
- ②ゆっくりと上半身を倒して仰向けに寝る
- ③20~30秒キープする
- 大腿筋膜張筋のほぐし方④テニスボールを使った筋膜リリース
- ①テニスボールを2個靴下に入れる
- ②股関節の付根の横にボールをセットし、横向きに寝る
- ③30秒間体重で圧をかける
- ④反対側の股関節の横も同様に行う
- 大腿筋膜張筋のほぐし方⑤ツボ押しマッサージ
- ①膝を立てて仰向けになる
- ②テニスボールを環跳(かんちょう)の位置に置く
- ③3~7秒かけて押し、戻す動作を繰り返す
- 大腿筋膜張筋をほぐす効果はある?硬いとどうなる?
- 大腿筋膜張筋をほぐす効果
- 大腿筋膜張筋が硬い時のデメリット
大腿筋膜張筋はどこの筋肉?役割は?
大腿筋膜張筋はどこにある筋肉なのか、どのような役割をはたしているのか解説します。
骨盤の外側を覆っている筋肉
大腿筋膜張筋は骨盤の外側を覆うようにある筋肉です。上前腸骨棘という腰の前方にある出っ張った骨あたりから始まり、太ももの付根付近にある大転子直下まで繋がっています。
樋口友昭先生
柔道整復師
骨盤は寛骨、恥骨、腸骨から構成されています。大腿筋膜張筋は腸骨から始まり、終点は腸脛靱帯です。腸脛靱帯は膝関節を跨いで脛骨の外側に付着します。お尻や太ももの筋肉と連動して股関節や膝関節の動きに作用する重要な筋肉です。作用としては股関節を屈曲、内旋、外転させます。
大腿筋膜張筋は股関節と膝関節を支える筋肉
大腿筋膜張筋は股関節と膝関節の動きに作用し、足を外へ開く動作や歩行時・走行時に足の向きを調節する役割をはたしています(※1)。骨盤の安定にも関わりがある筋肉です。
大腿筋膜張筋をほぐすストレッチ5選
大腿筋膜張筋をほぐすストレッチを5つ紹介します。自分で簡単にできる方法ばかりなので、実践してみましょう。
大腿筋膜張筋のほぐし方①寝ながらストレッチ
寝たままの状態で簡単にできるストレッチです。
①仰向けに寝て右足の膝を軽く曲げる
仰向けになり、右足の膝を軽く曲げます。
②曲げた膝を内側に倒す
曲げた膝を内側に倒しましょう。
③左足の膝を曲げてかかとを右膝にのせる
左足の膝を曲げてかかとを右膝にのせます。
④左側に倒して15秒キープする
足を左側に倒して、大腿筋膜張筋が伸びているところで15秒キープしてください。深呼吸をしながらストレッチしましょう。反対側の足も同様に行います。
大腿筋膜張筋のほぐし方②座りながらストレッチ
座りながら行う大腿筋膜張筋のストレッチです。ストレッチをして柔軟性を高めましょう。
①片手を立てて横向けに寝る
片手を立てて横向けに寝ます。
②左足を曲げて右足の前に立てる
左足を曲げて右足の前に立てます。骨盤が床に当たって痛いようであれば、タオルやクッションを敷いて行いましょう。
③上半身を起こして大腿筋膜張筋を伸ばす
上半身を起こして、大腿筋膜張筋を伸ばします。深呼吸を繰り返しながらストレッチしてください。大腿筋膜張筋がほぐれてくるほど、上半身を起こしやすくなります。
④15秒キープする
そのままの姿勢で15秒キープします。
大腿筋膜張筋のほぐし方③ストレッチ
片足を後ろに曲げるだけの簡単なストレッチです。
①床に座って片足を後ろに曲げる
床に座って片足を後ろに曲げます。
②ゆっくりと上半身を倒して仰向けに寝る
ゆっくりと上半身を倒して仰向けに寝ましょう。息をゆっくりと吐きながら仰向けになってください。痛いようであれば倒せるところまでで大丈夫です。
③20~30秒キープする
20~30秒キープします。反対側の足も同様に行いましょう。
大腿筋膜張筋のほぐし方④テニスボールを使った筋膜リリース
テニスボールを使った大腿筋膜張筋の筋膜リリース方法を紹介します。簡単なリリース方法なので、ぜひ実践してみましょう。
①テニスボールを2個靴下に入れる
テニスボールを2個靴下に入れます。
②股関節の付根の横にボールをセットし、横向きに寝る
股関節の付根の横にボールをセットします。そのまま横向きに寝ましょう。
③30秒間体重で圧をかける
30秒間、体重で圧をかけます。痛すぎるとリラックスしてほぐせないので、痛気持ちいいぐらいの圧をかけましょう。テニスボールの大きさや柔らかさで圧を調整することもできます。しっかりと深呼吸しながら行ってください。
④反対側の股関節の横も同様に行う
反対側も同様に行います。
大腿筋膜張筋のほぐし方⑤ツボ押しマッサージ
大腿筋膜張筋のほぐすには、「環跳(かんちょう)」のツボ押しマッサージがおすすめです。環跳は横向きに寝て、膝を深く曲げたときに足の付け根にできるしわの外側に位置します。腰痛、股関節痛、頭痛、神経痛に効果があるといわれるツボです。
①膝を立てて仰向けになる
ヨガマットの上に、膝を立てて仰向けになります。
②テニスボールを環跳(かんちょう)の位置に置く
テニスボールを環跳(かんちょう)の位置に置き、体重をかけます。腰を動かし、体重を調整しながら刺激しましょう。
③3~7秒かけて押し、戻す動作を繰り返す
3~7秒かけて環跳を押し、ゆっくり戻す動作を3~5回繰り返します。
樋口友昭先生
柔道整復師
押さえる時の適正な強さとして「強ければ強いほどいい」という考えはNGです。反対に筋肉を痛めてしまうリスクが高まります。また「気持ちいい」だけでは効果が持続しません。「痛いけど気持ちいい」がご自身の適正な強さです。力まずにリラックスした状態で実践です!
大腿筋膜張筋をほぐす効果はある?硬いとどうなる?
大腿筋膜張筋が硬くなる原因は、姿勢不良や骨盤の後傾、内股、О脚などです。骨盤の後傾や内股、O脚は太ももの外側に負担がかかり、大腿筋膜張筋の凝りへ繋がります。
また、お尻の筋肉を使っていないと、大腿筋膜張筋凝り固まりやすくなります。お尻の筋肉が弱まると、代わりに大腿筋膜張筋が過剰に働くことで筋肉が凝り、硬くなるのです。ここでは、硬くなった大腿筋膜張筋をほぐすと得られる効果や、硬い時のデメリットを紹介します。
樋口友昭先生
柔道整復師
また、姿勢の崩れも大腿筋膜張筋の柔軟性が低下する原因の1つです。骨盤が後ろに傾いている後傾や内股、外股、O脚は太ももの外側に負担がかかり(X脚でも可能性あり)大腿筋膜張筋の凝りへ繋がります。
大腿筋膜張筋をほぐす効果
・骨盤の安定
・腰痛の改善
・O脚の改善
・外太ももの張りを解消
・腸脛靭帯炎など膝の怪我予防
大腿筋膜張筋をほぐして柔らかくすることで、骨盤の安定や腰痛の改善に効果が期待できます。大腿筋膜張筋は腰回りのサポートだけでなく、膝の動きを支えてくれる筋肉です。凝りを緩めることで膝の動きを支える機能が復活することでO脚を改善するといわれています。
外太ももの筋肉は体重を支え、歩行時などで毎日使用しているため負担がかかりやすいです。外太ももが張っていると、腰痛や姿勢不良の原因にもなるため、ほぐして緩めておくことが大切です。
また、大腿筋膜張筋を緩めて柔軟性を高めることは、股関節や膝関節の安定性の向上につながります。そのため炎症が起きることを防ぎ、腸脛靭帯炎など膝の怪我予防につながるのです。
90度以上も開脚することが難しいようであれば、大腿筋膜張筋が硬くなっている可能性がかなり高いです。
大腿筋膜張筋が硬い時のデメリット
・股関節痛
・膝関節痛
・骨盤のゆがみ
大腿筋膜張筋が硬い股関節の痛みや腰痛、膝関節痛、骨盤のゆがみを引き起こす可能性があります。腰が重い、動きづらい、立ったり座ったりがつらいなど、日常生活に支障をきたす場合もあるので注意が必要です。
大腿筋膜張筋をほぐして柔らかくしよう
大腿筋膜張筋は骨盤の外側にある筋肉です。凝り硬くなると、股関節痛や腰痛、膝関節痛、骨盤のゆがみを引き起こします。日常生活に支障をきたす場合もあるので注意してください。
大腿筋膜張筋が硬くならないように、日頃からほぐして柔らかくすることが大切です。マッサージやストレッチを行い、大腿筋膜張筋の柔軟性を上げておきましょう。
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