腕が上がらない・二の腕が痛い時のストレッチ|痛い原因を理学療法士が解説
腕が上がらない、二の腕を伸ばすと痛いときはありませんか。腕や肩が痛い場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。この記事では、腕が上がらない原因とおすすめの二の腕ストレッチを紹介します。上腕二頭筋ストレッチやポイントも紹介するので参考にしてください。
目次
- 腕が上がらない・二の腕が痛い原因は?
- 四十肩・五十肩やインピンジメント症候群の場合が多い
- 筋肉が硬くなると痛みを引き起こす
- 筋肉に負担をかけすぎても痛みが出る
- 他の病気の可能性も
- 二の腕の痛みを和らげるストレッチ3選
- 二の腕ストレッチ①上腕二頭筋ほぐしマッサージ
- ①指先3本で二の腕の痛い場所をチェック
- ②指先で痛いところを優しく押す
- ③肘の曲げ伸ばしを10〜20回繰り返す
- 二の腕ストレッチ②壁を使ったストレッチ
- ①手のひらを上向きにしてから壁につける
- ②伸ばしている手と反対方向に体をねじる
- ③伸びてきたところで10〜20秒キープ
- 二の腕ストレッチ③寝ながらストレッチ
- ①痛い方の腕を下側にして横向きで寝る
- ②肘を曲げて手首を掴み内側に倒す
- ③筋肉が伸びてきたら10〜20秒キープ
- 二の腕ストレッチのポイントは?
- ストレッチ前に体を温める
- ゆっくりと行う
- 毎日継続しておこなう
腕が上がらない・二の腕が痛い原因は?
腕が上がらない、二の腕が痛いという場合、何が痛みの原因となっているのでしょうか。ここでは、腕や二の腕が痛い場合の原因や考えられる原因や疾患について解説します。しかし、痛みが強く不安な場合は自分で判断せず、医療機関で検査をすることをおすすめします。
四十肩・五十肩やインピンジメント症候群の場合が多い
腕が上がらない、二の腕が痛い原因として、四十肩・五十肩や肩のインピンジメント症候群の場合が多いといわれています。四十肩や五十肩の正式名称は肩関節周囲炎です(※1)。加齢が原因で肩関節が炎症を起こし、筋肉や腱がスムーズに動かせなくなる症状が出ます。
インピンジメント症候群では腕を上げていくと、痛みや引っ掛かりを感じて、それ以上腕が上がらないという症状が出ます。骨同士が擦れるような肩関節の骨の変形が原因で、年齢や疲労、姿勢の影響が大きく、野球などの投球動作が多いスポーツ選手にも多い疾患です。
筋肉が硬くなると痛みを引き起こす
腕が上がらない、二の腕が痛い原因は、長時間同じ姿勢を続けることが挙げられます。例えばデスクワークをしていたり、スマホなどを見ながら座ったりする時間が長い人に多いです。同じ姿勢を続けていると腕や肩、肩甲骨の筋肉が硬くなって、痛みを引き起こします。
腕が痛くて上がらない人は三角筋や肩のインナーマッスルの筋肉が硬くなっている、力が弱くなっていることが考えられます。
また、二の腕が痛い人は上腕二頭筋や上腕筋、大胸筋などの肩周り、腕まわりの筋肉が硬くなって血行不良を起こして痛みなどの症状を引き起こしている可能性があるのです。
筋肉に負担をかけすぎても痛みが出る
筋肉を使いすぎていることも腕が上がらないことや二の腕が痛い原因です。重い荷物を持ったり、上半身の筋力トレーニングで肩や腕の筋肉に負担をかけすぎたりすると痛みが出てしまいます。肩関節を使いすぎて炎症を起こしているという場合もあるので気をつけましょう。
他の病気の可能性も
・上腕二頭筋長頭腱炎
・胸郭出口症候群
・肩腱板損傷
・肩腱板断裂
・頚椎症
・胸郭出口症候群
・帯状疱疹
・頚椎症性神経根症
腕が上がらない、二の腕が痛い原因は、四十肩や五十肩以外にも、筋肉の柔軟性が低下することにより、血行不良や骨・腱などに炎症を起こす病気が多いです。
それだけでなく二の腕がピリピリ痛くなるような帯状疱疹や頚椎症性神経根症では、皮膚や神経に原因がある場合があります。病院を受診するならまずは整形外科に行くことをおすすめします。
二の腕の痛みを和らげるストレッチ3選
二の腕が痛い原因が、筋肉の柔軟性の低下や使いすぎによる疲労であれば、ストレッチで改善する効果を期待できます。肩や腕の筋肉を緩め、筋肉や関節のの柔軟性と可動域、血行を自分で改善できるためおすすめです。
二の腕ストレッチ①上腕二頭筋ほぐしマッサージ
二の腕の痛みの原因になりやすい上腕二頭筋を柔軟にするマッサージです。筋膜リリースの効果もあるのでおすすめです。どこでも簡単にできるので、参考にしてください。
①指先3本で二の腕の痛い場所をチェック
まずは真ん中の指3本を使って二の腕を触っていきます。腕を上げた時などに痛いところをチェックしましょう。ゴリゴリして固い部分が特に痛みが出やすい場所です。
②指先で痛いところを優しく押す
痛いところを見つけたらそのまま指先で優しくグーッと押していきましょう。優しく押していくうちに、筋肉に効いてきたり、固いところに当たったりする感覚が出る強さで押します。
③肘の曲げ伸ばしを10〜20回繰り返す
優しく押しながら10〜20回ほどゆっくりと肘を曲げ伸ばししていきましょう。肘を曲げ伸ばしすると筋肉が伸び縮みするので、指で抑えているところにある上腕二頭筋をマッサージできます。
やっていくうちに筋肉がほぐれてきて、筋肉を覆っている筋膜もリリースできます。マッサージすると血行が良くなってくるため、終わった後に肘を曲げたり、腕を上げたりして動かしてみると軽くなってくるはずです。
二の腕ストレッチ②壁を使ったストレッチ
壁を使いながら行う二の腕ストレッチです。二の腕の筋肉だけでなく、前腕や胸の筋肉までストレッチすることができます。猫背や巻き肩などの姿勢改善効果も期待できるのでおすすめです。
①手のひらを上向きにしてから壁につける
まず壁が横にくるように立ちましょう。その状態から手のひらを上向きにしてからそのまま壁につけます。手首が上で指先が下にきているはずです。手をついたら肘を軽く伸ばしましょう。腕が上がらない人は辛いので手をつく高さは下の方でも大丈夫です。
②伸ばしている手と反対方向に体をねじる
手をついたら伸ばしている手と反対方向に体をねじっていきましょう。ねじっていくと、前腕から二の腕の上腕、そして胸の辺りまで伸びてきます。
③伸びてきたところで10〜20秒キープ
体をねじって少し突っ張ったり、伸びてきた感覚があればその位置で10〜20秒キープします。時間が経ったら少し体を戻してもう一度ねじってキープしましょう。このストレッチを繰り返すと前腕筋、上腕筋、三角筋などの筋肉が柔軟になってきます。
腕の前側の筋肉が硬いと痛みが出やすいので、ほぐすことで痛みが和らぎます。胸の筋肉が伸びてくると、巻き肩や猫背が改善して背筋を伸ばせる効果も期待できるでしょう。
二の腕ストレッチ③寝ながらストレッチ
腕が上がらないときに効果的なストレッチです。肩の下の筋肉を柔軟にすることで、痛みを和らげる効果を期待できます。寝ながらできる簡単なストレッチなので、参考にしてください。
①痛い方の腕を下側にして横向きで寝る
まずは痛い方の腕が下にくるようにして横向きで寝ましょう。体が床に当たって痛くないように、ベッドやヨガマットの上で行うのがおすすめです。枕やクッションを頭の下に置くと、首が安定して楽にストレッチを行えます。
②肘を曲げて手首を掴み内側に倒す
腕を前に出して伸ばしてから肘を曲げましょう。反対の手で曲げている手の手首を掴みます。そのまま肘を内側にゆっくりと倒していきましょう。肩甲骨の後ろから肩の辺りまでストレッチされてきます。
③筋肉が伸びてきたら10〜20秒キープ
筋肉がストレッチされていることを感じたらその位置で10〜20秒キープしましょう。時間が経ったら一度肘を緩めてもう一度同じ動きを繰り返します。このストレッチでは棘下筋と呼ばれる肩甲骨の後ろから肩に繋がっている筋肉が伸びてきます。
腕が上がらないときは、肩の下についている筋肉が固まると腕がより上げにくくなってしまって二の腕や肩に負担がかかって痛みが出やすいです。肩の下にある筋肉がストレッチされて肩を上げた時の負担が減らせます。
二の腕ストレッチのポイントは?
二の腕が痛い、腕が上がらないときには、ストレッチをすることで改善する効果を期待できます。しかし、誤ったやり方で行うと、症状が悪化する恐れもあります。二の腕ストレッチのポイントを押さえておきましょう。
ストレッチ前に体を温める
体が温まって血行がよい状態でストレッチを行いましょう。体が冷えた状態では、筋肉は収縮してしまいます。体が暖かくなることで筋肉が緩み、ストレッチ中の肩のかだ雨域が広がります。家の中で自分で行うときは、お風呂上がりにストレッチをするのがおすすめです。
ゆっくりと行う
腕や肩の筋肉をストレッチするときは、ゆっくりと行いましょう。肩関節の柔軟性がなく、勢いで急に伸ばそうとすると悪化する可能性があります。ストレッチでかける負荷も同様に大切で、痛みや違和感のない範囲で行うよう意識しましょう。
毎日継続しておこなう
一度硬く凝った筋肉は、数回程度のストレッチでは柔軟性を高めることはできません。毎日継続しておこない、柔軟性を保つことが重要です。最初は簡単なストレッチを週2~3回から始めて、慣れてきたら頻度を増やす、種類を増やしていきましょう。
腕が上がらない・二の腕が痛い場合はストレッチで対処しよう
腕が上がらない、二の腕が痛いという場合、筋肉が硬くなっていたり、使いすぎて筋肉が弱くなったりしている可能性があります。また、肩関節や腱が炎症を起こすような症状の病気も考えられます。
痛みや違和感を急に感じたら、自分でできる簡単なストレッチを試してみましょう。
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