多裂筋のほぐし方|腰痛に効果的?ストレッチや筋膜リリースの方法を解説
多裂筋(たれつきん)は姿勢を維持する時に使う、背中のインナーマッスルです。多裂筋が硬いと、腰痛の原因にもなり得るので注意が必要です。この記事では、多裂筋のほぐし方を【ツボ押しマッサージ・筋膜リリース・ストレッチ】などに分けて紹介します。多裂筋をほぐすストレッチの効果や硬い時のデメリットも紹介するので、参考にして下さい。
目次
- 多裂筋はどこの筋肉?役割は?
- 首の後ろから骨盤の後ろまで伸びている筋肉
- 背筋を伸ばす動作で用いられる
- 多裂筋のほぐし方のコツは?
- ストレッチで多裂筋を伸ばす
- 多裂筋をほぐすストレッチ5選
- 多裂筋のほぐし方①猫のポーズのストレッチ
- ①四つ這いになる
- ②息を吐きながら背中を丸めて30秒間キープ
- ③息を吸いながらゆっくりと背中を反らす
- 多裂筋のほぐし方②壁ペタ背中伸ばしのストレッチ
- ①壁に向かって立つ
- ②両手と両足を壁につける
- ⑤胸が離れないように腰を落とし、5秒間キープ
- ④ゆっくり元に戻す
- 多裂筋のほぐし方③プランク
- ①四つ這いになり、肩の真下に肘を置く
- ②足を伸ばし膝を離す
- ③20秒間キープする
- 多裂筋のほぐし方④テニスボールを使った筋膜リリース
- ①壁と体の間にテニスボールを挟む
- ②そのまま壁に寄りかかる
- ③膝を曲げ伸ばしして上下に動く
- 多裂筋のほぐし方⑤ツボ押しマッサージ
- ①両手の親指で腎兪(じんゆ)を押さえる
- ②上半身を10~20回ほど左右に振る
- 多裂筋をほぐす効果はある?硬いとどうなる?
- 多裂筋をほぐす効果
- 多裂筋が硬い時のデメリット
多裂筋はどこの筋肉?役割は?
多裂筋(たれつきん)は、腰痛と関わりのあるインナーマッスルです。具体的にどの場所にあり、どんな役割があるのか、詳しく解説します。
首の後ろから骨盤の後ろまで伸びている筋肉
多裂筋は首のうしろのに位置する頚椎から、骨盤のうしろあたりにある仙骨にまで伸びる筋肉です。背骨の両側に小さな三角形の形状で付着していて、仙骨にむかっていくほど筋肉が太くなっていきます。
背筋を伸ばす動作で用いられる
多裂筋は、背骨に沿ってついている姿勢を維持するために重要なインナーマッスルです。背骨を起こす動きがあり、多裂筋が弱くなると、背中を反らせたり姿勢をキープすることが難しくなり、腰痛の原因にもなります。
多裂筋を鍛えることで筋肉が引き締まり、スポーツのパフォーマンス向上や美しいボディラインを作ることができるでしょう。
多裂筋のほぐし方のコツは?
多裂筋は首から腰の背骨に沿って伸びている広い範囲の筋肉であることから、日常生活の行動に大きく関わってきます。デスクワークなどで同じ姿勢を長時間続けていると、筋肉が萎縮し凝り固まりやすくなります。
ここでは、凝り固まった多裂筋のほぐし方のコツを紹介します。
ストレッチで多裂筋を伸ばす
多裂筋は背骨についているインナーマッスルのため、背中の筋肉を伸ばすストレッチが効果的です(※1)。背筋である多裂筋をストレッチをして柔らかく緩めることで、腰と背中をしっかり支える土台を作ります。
緊張を緩めることがポイントとなるため、リラックスしながら行うことで効果が期待できます。また、ストレッチボール使うと、背中から腰にかけて直接多裂筋を刺激でき、効果的なアプローチが可能です。姿勢の改善や、体を柔らかくする効果が期待できます。
多裂筋をほぐすストレッチ5選
ここでは、多裂筋をほぐすストレッチを5つ紹介します。難易度が低く、日常生活で手軽に取り入れられるストレッチばかりです。簡単にできるストレッチで柔軟性を高めて、筋肉の緊張をほぐしていきましょう。
多裂筋のほぐし方①猫のポーズのストレッチ
ヨガで代表的な猫のポーズです。背中全体を収縮させて、ストレッチしていきます。お風呂あがりや寝る前など簡単に取り入れやすいストレッチです。
①四つ這いになる
ヨガマットの上に四つ這いになります。手と膝は肩幅ほどに開きましょう。
②息を吐きながら背中を丸めて30秒間キープ
息を吐きながら背中を丸め、30秒間キープします。キープ中は呼吸を止めないように注意しましょう。
③息を吸いながらゆっくりと背中を反らす
息を吸いながらゆっくりと背中を反らし、目線を上に向けます。そのままの状態で30秒間キープしましょう。
多裂筋のほぐし方②壁ペタ背中伸ばしのストレッチ
壁があればどこでも簡単にできるストレッチ方法のため、デスクワークの休憩にもおすすめです。多裂筋だけではなく、腹筋や肩周りの筋肉のストレッチにもなり、姿勢の改善も期待できます。
腹筋や肩が硬くて腕があげづらい人は、両手をYの字に開いて行いましょう。
①壁に向かって立つ
壁に向かって立ち、足を肩幅に開きます。
②両手と両足を壁につける
両手を上にあげて、胸と手のひらを壁につけましょう。足は肩幅に開いたまま、つま先を壁につけます。このとき、腕と耳が離れすぎないように注意しましょう。
⑤胸が離れないように腰を落とし、5秒間キープ
両手、胸、両足のつま先が離れないように意識し、息を吐きながら腰を落とします。腰を落としたら、その姿勢のまま5秒間キープしましょう。
④ゆっくり元に戻す
5秒経過したら、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。同じ動作を10回繰り返しましょう。
多裂筋のほぐし方③プランク
プランクは、体幹やインナーマッスルを強化するのにおすすめの方法です。おしりを締め、肩甲骨を広げることを意識し、正しい姿勢でストレッチしていきましょう。
フォームが崩れると腰や肩に負担がかかり、腰痛の原因になります。慣れていない人は、膝をついて行う方法でも効果が期待できるので、積極的に取り組んでいきましょう。
①四つ這いになり、肩の真下に肘を置く
ヨガマットの上に四つ這いになり、両肘を肩の真下に置きます。
②足を伸ばし膝を離す
片足ずつ足を延ばして、床から膝を離しましょう。背筋をまっすぐに伸ばし、頭からかかとまでが一直線になるように意識します。
③20秒間キープする
体を浮かせたまま20秒間キープします。難しい場合は無理をせず、休憩をしながら行いましょう。同じ動きを3回繰り返します。
鈴木議紳先生
柔道整復師
プランクは「アイソメトリック運動」(筋肉が収縮しない無酸素運動)なので効果が分かりにくい運動です。体幹が鍛えられるので多裂筋も鍛えられますが、急にがんばると腰を痛めやすいはずです。初めのうちは20秒程度から、短期間では効果がでにくいため継続してやってみましょう!
多裂筋のほぐし方④テニスボールを使った筋膜リリース
テニスボールを使って簡単に多裂筋を緩める方法もあります。テニスボールを使った筋膜リリースの方法を紹介します。
①壁と体の間にテニスボールを挟む
壁に背中を向けて立ち、壁と体の間にテニスボールを挟みます。
②そのまま壁に寄りかかる
テニスボールを挟んだまま、壁に寄りかかります。
③膝を曲げ伸ばしして上下に動く
ボールを落とさないように意識しながら、膝を曲げ伸ばしして上下に動きます。1ヶ所をテニスボールで刺激し続けると、筋を痛める可能性があるので、少しずつボールをずらしながらマッサージして筋肉を柔らかくしていきましょう。
無理をせず、深呼吸をして、気持ちいい程度の力加減でほぐしていきます。
多裂筋のほぐし方⑤ツボ押しマッサージ
多裂筋をほぐすには、腎兪(じんゆ)というツボをマッサージをする方法があります。腰痛を和らげるツボで、背骨を整える効果も期待できます。
①両手の親指で腎兪(じんゆ)を押さえる
腎兪(じんゆ)は、腰に手を当てた状態のラインで、背骨から指2本分外側の左右1対にあるツボです。両手の親指で腎兪を押さえましょう。凝りの部分に刺激を与えすぎず、痛気持ちいい程度の力加減で押すのがポイントです。
②上半身を10~20回ほど左右に振る
腎兪(じんゆ)を押さえたまま、上半身を左右に振ります。10~20回ほど繰り返しましょう。
多裂筋をほぐす効果はある?硬いとどうなる?
多裂筋が硬くなる原因は、運動不足などによるインナーマッスルの衰えや、長時間のデスクワークによる疲労です。多裂筋が硬いままでいると、トリガーポイントになるなどさまざまなデメリットがあります。
多裂筋をほぐす効果や、多裂筋が硬い時のデメリットについて解説します。
多裂筋をほぐす効果
・スポーツのパフォーマンスアップ
・腰痛防止
・骨盤の安定
・美しいボディライン
・基礎代謝アップ
・正しい姿勢を維持
・柔軟性アップ
多裂筋をほぐして緩めることで、姿勢を改善できるだけでなく、腰痛防止や骨盤の安定にも繋がります。正しい姿勢でいることで、柔軟性や基礎代謝がアップし理想的なボディに近づけるでしょう。
インナーマッスルと体幹が鍛えられ体が柔らかくなり、スポーツのパフォーマンスがアップすると考えられます。
多裂筋が硬い時のデメリット
・腰痛
・正しい姿勢を維持できない
・反り腰
・怪我に繋がる
・トリガーポイントになる
運動不足によってインナーマッスルが衰えて多裂筋が凝り固まっていると、正しい姿勢が維持できなくなり、猫背や腰痛の原因になります。
多裂筋は、ゴルフやテニスなどの回旋運動にも重要な筋肉であり、硬い状態でこのようなスポーツを行うと怪我に繋がるトリガーポイントになる可能性もあります。
鈴木議紳先生
柔道整復師
多裂筋の起始は主に仙骨後面~仙腸関節靭帯・後上腸骨棘・起立筋・腰椎乳様突起です。停止部は脛椎(C1)を除く椎骨棘突起で背部の伸展(背屈)を担う姿勢筋です。多くの骨格筋は停止部が稼働するため、筋が硬くなるとより起始よりに負担がかかり腰部が痛みやすいと考えられます。
多裂筋をほぐして柔らかくしよう
多裂筋は、姿勢を維持するのに重要な筋肉です。運動不足や長時間同じ姿勢でいることで、筋肉が柔軟性がなくなり凝り固って腰痛の原因にもなります。
多裂筋のトリガーポイントを抑え、ほぐすことで、姿勢の改善やスポーツのパフォーマンスアップにも繋がるので、積極的にほぐして柔らかくしていきましょう。
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