背中が痛いのは猫背が原因?簡単ストレッチや正しい姿勢で痛みを和らげよう
猫背の方で、背中の痛みがありませんか?背骨を押すと痛む時は、猫背が原因かもしれません。この記事では、猫背が原因による背中の痛みと、他の原因との違いを紹介します。他にも、正しい姿勢や猫背解消ストレッチも紹介するので、参考にしてみてください。
目次
- 同じ姿勢を続けて背中に痛みがありませんか?
- 背中が痛いのは猫背が原因?
- 背骨を押すと痛い時
- 背中から腰まで痛い時
- 背中が痛い原因は猫背以外にある?
- ストレスによる背中の痛み
- 内臓疾患による背中の痛み
- 背中が痛い場合は何科に行くべき?
- 猫背による体の不調は他には何がある?
- 肩こりや腰痛
- 代謝が下がり太りやすい体に
- 抑うつ状態などメンタル不調
- 猫背を解消させる正しい姿勢とは?
- 座る時の正しい姿勢
- 立つ時の正しい姿勢
- 正しい姿勢を維持するコツ
- 猫背を解消するストレッチ2選
- 猫背を解消するストレッチ①【椅子に座ったまま】できる簡単ストレッチ
- ①背筋を伸ばして椅子にまっすぐ座る
- ②片方のお尻を少し上げて下ろす
- ③反対側のお尻も同じように行う
- ④10回繰り返す
- 猫背を解消するストレッチ②【立ったまま】できる簡単ストレッチ
- ①まっすぐ立ち腕を上げる
- ②上半身を反らす
- ③20秒姿勢をキープする
- ④元の姿勢に戻す
- ⑤3~5回繰り返す
同じ姿勢を続けて背中に痛みがありませんか?
同じ姿勢を続けると「背中が痛い」と感じる人も多いでしょう。それは、長時間のデスクワークやスマホを見るときに、背中や腰が丸くなる「猫背」になっていることが原因かもしれません。猫背による背中の痛みの原因や猫背を解消するストレッチなどを紹介します。
當銘梨沙先生
柔道整復師
筋肉が体を動かすときの仕事としては「縮む」「緩む」という動きだけです。同じ姿勢を続けると筋肉の動きがなくなり、縮んだままで固まるか、緩んだままで固まってしまいます。筋肉が固まると血流の循環が悪くなり背中の痛みが出て、元々の姿勢が良くないと症状が出やすくなります。
背中が痛いのは猫背が原因?
同じ姿勢を続けて背中が痛くなるのは、猫背が原因の可能性があります。猫背が原因で背中が痛い場合、どこが痛いかによって、表れる症状も異なるのです。なぜ猫背だと背中が痛くなるのか、どこに痛みがあるとどんな症状が出るのかを解説します。
背骨を押すと痛い時
背骨を押すと痛いときは、脊椎の炎症が原因の可能性があります。脊椎の後ろの中央には棘突起(きょくとっき)というものがあります。棘突起を上下につなぐ靱帯(じんたい)が炎症を起こすと、痛みが生じるのです。
炎症の原因は、猫背のように悪い姿勢が続いたり、スポーツで負荷がかかったりなど、日頃の動作が要因で発症することがほとんどです。一時的な軽い痛みであれば、安静にしていれば痛みは和らぎます。痛みが続くなら病院に行く必要があります。
背中から腰まで痛い時
背中から腰まで痛いときは、長時間のデスクワークによる筋肉の緊張が原因の可能性があります。特にパソコンをしているときには、前屈みになって背中が丸くなり腰猫背になってしまいます。
同じ姿勢を続けていると、背中の筋肉が収縮し、筋肉が付着している背骨あたりに痛みが生じるのです。症状がひどい場合には、息苦しさや吐き気を感じることもあります。筋肉をほぐすと痛みを和らげる効果を期待できます。
名倉直重先生
整形外科医
成人の頭の重さは4〜6kgあり、うつむくだけで頭の重さの数倍の負荷がかかるため、長時間のデスクワークやスマホ操作を行うと首や背中の筋肉が硬直してしまい痛みが生じます。
背中が痛い原因は猫背以外にある?
背中が痛いのは猫背だけではなく、ほかにも原因は考えられます。たとえば、ストレスや内臓疾患によるものです。猫背以外の原因で生じる背中の痛みについて解説します。
ストレスによる背中の痛み
背中の痛みには、猫背以外にストレスが原因のケースもあります。ストレスが溜まると、自律神経が乱れて背中の筋肉の血流が悪くなり、背中に痛みが発症する恐れがあるのです。ストレスが原因で背中が痛い場合は、特定の姿勢で痛みが発生するわけではありません。
たとえば、前屈みになると痛みがなくなることもあれば、痛みが強くなることもあります。痛みを感じる場所や範囲も人それぞれ異なるのが特徴です。リラックスする時間を作り、ストレスのない環境にしましょう。
内臓疾患による背中の痛み
猫背以外に、内臓疾患が原因で背中の痛みを生じることもあります。内臓疾患が原因の場合に考えられる病気は、胆のう炎やすい炎、すい臓がんなどです。すい臓や胆のうは背中側の壁に接する位置にあり、炎症を起こすと背中に痛みを生じやすくなるのです(※1)(※2)。
どこが原因であっても、痛みの程度は人それぞれ異なります。以下の場合は病院を受診しましょう。
- 安静にしているのに突然痛みを感じた
- 発熱や吐き気、体重減少などの症状もある
- 背中の痛みが1ヶ月以上続いている
名倉直重先生
整形外科医
安静時の痛みや夜間の痛み、鎮痛剤がほとんど効果ない激痛などは危険な痛みのサインとなります。骨粗鬆症による背骨の骨折が起こっている可能性もありますので、背中の痛みを認めたらまずは医療機関への受診をして下さい。
背中が痛い場合は何科に行くべき?
背中が痛い場合に受診するのは、痛みの症状や原因によって異なります。背骨を押したときに痛みを感じるなら、整形外科を受診しましょう。背中から腰まで痛みを感じるときは、筋肉の緊張が原因であることが多いため、背中や腰のハリをほぐすために、まずは整骨院でも十分です。
ストレスが原因の場合は、整形外科や心療内科に行きましょう。しかし、背中の痛みの原因に内臓疾患の疑いがある場合は、内科や泌尿器科を受診しましょう。
猫背による体の不調は他には何がある?
猫背姿勢は、背中の痛みだけではなく、体にさまざまな影響を及ぼします。背中の痛み以外で、猫背によって生じる体の不調について解説します。
肩こりや腰痛
- 肩こり
- 首のハリや痛み
- 腰痛や腰のハリ
- しびれや神経痛などの神経症状
猫背による体の不調には、肩こりや腰痛などがあります(※3)。これらの症状がでるのは、猫背の状態が続くことで関節や筋肉が緊張し、負荷を与えるからです。猫背だけではなく、ストレートネックや反り腰など、姿勢が悪いときにも起こる可能性があります。
代謝が下がり太りやすい体に
猫背姿勢を続けると、代謝が下がり太りやすい体になる可能性もあります。猫背の状態は、内臓や骨盤の位置がずれるため、負荷がかかりやすくなります。過大な負荷がかかると、内臓が正常な働きの邪魔をして消化吸収がうまくできず、代謝が下がってしまうのです。
抑うつ状態などメンタル不調
猫背による体の不調には、抑うつ状態や慢性疲労症候群などのメンタル面の不調が表れる可能性もあります。自律神経の乱れが原因で、脳内神経伝達物質の活動が抑制され、精神的な不安を生じやすくなるのです。
悪い姿勢のときは、息を吸うときに肋骨や横隔膜をうまく動かせません。そうなると、呼吸が浅くなったり、血液の流れが悪くなったりして、疲れやすい体になります。
猫背を解消させる正しい姿勢とは?
猫背を解消するには、背筋を伸ばして腰を丸めない姿勢を維持する必要があります。ここでは、猫背を解消させる正しい姿勢を紹介します。
座る時の正しい姿勢
自分が正しいと思っていた姿勢は、実は悪い姿勢の可能性もあります。ここでは、座るときの正しい姿勢を紹介します。
- 椅子に深く腰掛けて骨盤を立てる
- 背もたれにはもたれかからない
- 膝の角度は約90度を意識する
- 肩は丸めたり、すくめたりしない
背もたれにもたれかかると、腰が丸くなり、腰猫背の姿勢になってしまいます。座るときには、足裏が地面につくようにし、足組みはしないようにしましょう。
立つ時の正しい姿勢
立つときの正しい姿勢を紹介します。自分が普段している姿勢は正しいのかを確認してみましょう。
- 背骨は自然なS字にする
- あごをあげて視線は前に向ける
- 両足は肩幅より少し狭くする
- 膝はまっすぐ伸ばす
- 踵と首が直線になるように意識する
背中や胸を張った状態は、反り腰に近い姿勢になります。反り腰の姿勢は、上からの力を受け止めにくく、体に負担がかかります。首と背中の力を抜いて「少し猫背かもしれない」と思う状態が、正しい姿勢です。
正しい姿勢を維持するコツ
座るときも、立つときも、正しい姿勢を維持するには、いくつかのコツがあります。コツをつかんで、正しい姿勢を身につけましょう。
- 30分〜1時間に1回、体を動かす
- 適度な運動をする
- 座るときはクッションなどのグッズを使う
人間は、よい姿勢を維持するためには、ある程度の筋肉が必要です。運動不足になると、筋肉が弱くなり、同じ姿勢を維持することが難しくなります。運動をするのが面倒臭い人は、ラジオ体操を1日に1回するだけでも十分です。
名倉直重先生
整形外科医
猫背を解消するには良い姿勢が大切です。良い姿勢とは①頭部がまっすぐ②胸は前に③両肩は後方へ張り④お腹は引っ込んだ状態です。猫背を予防するためにこの4つを意識して下さい。
猫背を解消するストレッチ2選
猫背を解消するストレッチを紹介します。自宅にいるときはもちろん、仕事の合間にも簡単にできるストレッチなので、参考にしてみてください。
猫背を解消するストレッチ①【椅子に座ったまま】できる簡単ストレッチ
椅子に座ったままできるストレッチです。長時間のデスクワークをするときに、取り入れてみましょう。
①背筋を伸ばして椅子にまっすぐ座る
まずは背筋を伸ばし正しい姿勢で座りましょう。
②片方のお尻を少し上げて下ろす
お尻は少しだけ上げ、下ろすときはゆっくりを意識します。
③反対側のお尻も同じように行う
どちらから始めても構いません。反対側も同じように行います。
④10回繰り返す
10回程度繰り返します。お尻を上げるとき、肘を骨盤につけるように行うとよいでしょう。
猫背を解消するストレッチ②【立ったまま】できる簡単ストレッチ
猫背を解消する立ったままできる簡単ストレッチです。いつでも簡単にできるストレッチなので、ぜひ試してみてください。
①まっすぐ立ち腕を上げる
座って行うストレッチ同様、背筋を伸ばすことが大切です。両手の指を組み腕を上げます。
②上半身を反らす
お腹を伸ばすように上半身を反らしましょう。
③20秒姿勢をキープする
呼吸を止めないよう意識し、20秒姿勢を保ちましょう。
④元の姿勢に戻す
ゆっくりと腕を下ろし、最初の姿勢に戻ります。
⑤3~5回繰り返す
腕を上げ上半身を反らし、戻る動作を3回~5回繰り返します。痛みを感じたら、無理はせず中止しましょう。
當銘梨沙先生
柔道整復師
痛みを感じてからストレッチをするよりも、日々のケアであったり仕事中に意識的に体を動かす時間を作ることも良いですね!
猫背を治して背中の痛みを解消しよう
猫背姿勢は、背中の痛みだけではなく、体にさまざまな不調をもたらします。普段の生活や姿勢を見直すだけで、猫背は治る可能性があります。毎日を快適に過ごすために、猫背を治して背中の痛みを解消しましょう。
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