三焦経(さんしょうけい)とは?ツボの場所・働きやマッサージ方法も解説
三焦経(さんしょうけい)とは何か知っていますか?今回は、三焦経の場所や、働き・効果を紹介します。三焦経のマッサージ方法も紹介するので参考にしてみてください。
目次
三焦経(さんしょうけい)とは?
三焦経とは東洋医学の言葉で、12種類ある経絡のひとつです。読み方は「さんしょうけい」で、手の少陽三焦経とも呼ばれています。
三焦経は眉毛から薬指まで繋がる経絡
三焦経は薬指の先から眉毛の外側までを繋いでいる経絡です。三焦とは上焦・中焦・下焦の3つを合わせた呼び名で、それぞれの横隔膜より上の胸部、横隔膜から胃のあたり、胃から陰部までの場所を指しています。
山内彩乃先生
鍼灸師
三焦は「名ありて形なし」と言われ、組織や器官以外の隙間すべてをさします。 三焦は気や津液(水分)の通り道であり、水分代謝に深く関わっています。
三焦経の働き・効果
三焦経にどんな働きや効果があるのか紹介します。
- 体液循環の改善
- 粘膜やリンパの働きで体を保護する
- むくみ予防
- 耳鳴りの改善
- 頭痛の改善
三焦経の主な役割は、体液を全身に巡らせ、老廃物を尿や便として排出することです。自律神経を安定させる働きもあります。
三焦経のツボは全部で23種類
三焦経のツボは全部で23種類あります。頭側から指先までのツボを一覧にして紹介します。
- 糸竹空(しちくくう)
- 和髎(わりょう)
- 耳門(じもん)
- 角孫(かくそん)
- 顱息(ろそく)
- 瘈脈(けいみゃく)
- 翳風(えいふう)
- 天牖(てんゆう)
- 天髎(てんりょう)
- 肩髎(けんりょう)
- 臑会(じゅえ)
- 消濼(しょうれき)
- 清冷淵(せいれいえん)
- 天井(てんせい)
- 四瀆(しとく)
- 三陽絡(さんようらく)
- 会宗(えそう)
- 支溝(しこう)
- 外関(がいかん)
- 陽池(ようち)
- 中渚(ちゅうしょ)
- 液門(えきもん)
- 関衝(かんしょう)
三焦経は陰陽で分けると陽の経絡です。陽の経絡は、末梢である薬指の先から中枢である眉毛の外側に向かってエネルギーが流れるといわれています。
三焦経の中でも覚えておきたい5つのツボ
三焦経の中でも、マッサージをすることで症状の緩和に効果的なツボを5つ紹介します。ツボの押し方は、息を吐きながら5〜10秒かけてゆっくりと押すのがおすすめです。痛い場合は力を緩めて押してください。
外関(がいかん)
- 頭痛の緩和
- 目の充血や腫れ、痛みの軽減
- むくみの改善
- 自律神経の調整
外関は手の甲側にあります。場所は、手首の中央から肘に向かって指3本の位置です。押し方としては、反対の手の人差し指を使うと押しやすくなります。
山内彩乃先生
鍼灸師
外関は臨床では重要な作用をもつツボとして知られています。手の内側を走行する「手の厥陰心包経」と繋がっていて、二つの経絡を同時に治療することができます。 特に慢性的な症状に効果があるとされています。
会宗(えそう)
- 耳鳴りや難聴の改善
- 腱鞘炎の改善
- 神経過敏の緩和
会宗は外関から肘側かつ小指側に指1本分向かったところにあります。急性症状の緩和にも効果的なツボです。押し方は、反対側の手で腕をつかむように持って、親指を少し立てるようにして指の腹で3~5分ほど押しましょう。
天髎(てんりょう)
- 高血圧の改善
- 肩こりの改善
- 体のほてりを冷ます
- アンチエイジング
筋肉を緩めてこわばりをとる働きがあり、若返りのツボとも呼ばれています。場所は肩甲骨の上内側にあるくぼみです。押し方としては、反対の手で肩を揉む姿勢をとると、人差し指か中指で天髎のツボを押しやすいでしょう。
山内彩乃先生
鍼灸師
天髎に手が届かない場合は、弾力のあるボール(テニスボール)を床に置き、その上に仰向けに寝て刺激してみてください。体重のかけかたで力の強さを調節できます。
天牖(てんゆう)
- 突発性難聴の改善
- 嗅覚の改善
- 首こりの緩和
耳の後ろにある頭蓋骨の出っ張った部分の、真下のくぼみに天牖のツボがあります。注意点として、首周りは非常にデリケートです。ぐりぐりと押さないように、人差し指で優しく円を描くように押しましょう。
和髎(わりょう)
- 耳鳴りの改善
- 頭痛や頭重感の緩和
- 顔のむくみの緩和
和髎は耳の付け根ともみあげの間にあり、触れると脈拍を感じられるところがツボです。押し方は、人差し指と中指の腹で押してください。気持ちいい程度の力加減を心がけましょう。
三焦経以外の経絡は?
全身の経絡には、三焦経を含めて12種類あります。三焦経以外にどのような経路があるのかを説明します。
- 肺経
- 大腸経
- 胃経
- 脾経
- 心経
- 小腸経
- 膀胱経
- 腎経
- 心包経
- 胆経
- 肝経
経絡とは、体の内側の五臓六腑と体の外側である四肢や体表面を結ぶ通路のことです。すべての経絡がよどみなくスムーズに流れていることを東洋医学では健康な状態と考えます。
経絡は、現代医学でいう筋膜の連結やトリガーポイントとも関連が深いといわれています。おおまかな経絡を覚えておくことで、症状に合わせたマッサージができるでしょう。
三焦経のツボを知っておこう
三焦経のツボは、自律神経の調整や頭痛、耳鳴り、肩こりなどの症状緩和に役立ちます。腕や肩にツボが多いため、デスクワークの合間にも押しやすい経絡です。ぜひツボの位置を覚えて、毎日の疲労回復に役立ててください。
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