下痢止めのツボ10選|即効性はある?場所・効果やマッサージ方法も
「下痢でお腹が痛い」「トイレから出られない」など、下痢に悩む人は多くいます。この記事では、下痢止めに効果的なツボ10選を《頭・お腹・手・足》に分けて紹介します。ツボを即効で刺激する方法についても紹介しているので参考にしてください。
目次
下痢にツボ押しは効く?即効性はある?
「下痢にツボ押しは効くの?」と思う人もいるでしょう。東洋医学ではツボは全身に分布し、体の不調を緩和するといわれています。
現在、WHOでは361カ所のツボが定められ、下痢に効果的とされるツボも存在します。下痢止め効果が期待できるツボを刺激して、つらい症状を和らげましょう。
下痢止めのツボ10選
- 百会(ひゃくえ)
- 中脘(ちゅうかん)
- 関元(かんげん)
- 天枢(てんすう)
- 水分(すいぶん)
- 合谷(ごうこく)
- 魚際(ぎょさい)
- 復溜(ふくりゅう)
- 足三里(あしさんり)
- 陰陵泉(いんりょうせん)
東洋医学で下痢は、飲食・体の冷え・精神的ストレスなどの「外的要因」と、体質的な問題である「内的要因」が原因と考えられています。
下痢と関係する臓腑は「脾」「肝」「腎」です。これらの臓腑に不調が起こると下痢を引き起こす可能性があります。それでは、下痢止め効果が期待できるツボを解説します。
下痢止めに効く《頭》のツボ
下痢止めに効果が期待できる「頭」のツボの場所や押し方を解説します。
①百会(ひゃくえ)
百会は両方の耳の穴を結んだ線と、後頭部の中央と鼻を結んだ線が交わる場所にあります。
百会は自律神経の乱れや、ストレス緩和の効果が期待されるツボです。ストレスや緊張が原因の下痢の時には百会を刺激しましょう。
百会を押す際は両手の中指を重ね、体の中心に向かってゆっくり押します。5回繰り返しましょう。
下痢止めに効く《お腹》のツボ
下痢止めに効くとされる「お腹」のツボの場所や押し方を解説します。
②中脘(ちゅうかん)
中脘は、おへそに小指を当てた指5本分上のくぼみにあります。
中脘は、胃腸や消化器の不調の改善効果が期待されるツボです。特に、体が冷えたときや冷たいものの飲食でお腹が痛くなる人は、中脘を温めると症状が和らぎます。
中脘を押す際には、親指でゆっくり押します。5回繰り返しましょう。お腹にあるツボは力を入れすぎず、優しく押すことを意識します。
横内稚乃先生
鍼灸師
中脘のツボを押す時は湯船に浸かりながら行うか、お風呂上がりの体が温まっている時がおすすめです。中脘のツボだけを温めるのも良いですが、入浴して体全体を温めた状態でツボを押した方が腸内環境が整いやすく、下痢が止まりやすいです。
③関元(かんげん)
関元はおへそから指4本分下の位置にあるツボで、「丹田(たんでん)」とも呼ばれています。
関元は腎に活力を与え、冷えや消化器官の不調改善に効果が期待されています。体の冷えによって起こる下痢の際には関元を刺激しましょう。手足の冷えに加えてお腹が冷えている人は、関元を温めるのがおすすめです。
関元を押す際には、中指か人差し指でゆっくり押します。関元は膀胱の近くにあるため、ツボ押しの前にトイレを済ませておくとよいでしょう。
④天枢(てんすう)
天枢はおへその中心から指3本分横に、左右対称にあります。
天枢は、胃腸の不調改善・リラックス効果が期待されるツボです。冷えや脂っぽいものを食べた後の下痢や、ストレスや緊張が原因の下痢のときに刺激しましょう。
天枢を押す際には、人差し指・中指・薬指をそろえて指の腹でゆっくり押します。お腹が軽くへこむ程度の強さで押しましょう。
⑤水分(すいぶん)
水分は、おへそから親指1本分上にあるツボです。
水分は「水を分ける」という意味合いで使われ、余分な水分を体外に排出するはたらきがあります。冷たいものを摂取しすぎた、体が冷えているなどが原因の下痢の時には、水分のツボを刺激しましょう。
水分を刺激するときには、押しやすい指でゆっくり圧をかけます。そのまま5秒キープし、3~5回繰り返しましょう。
下痢止めに効く《手》のツボ
下痢止めに効くといわれる「手」のツボの場所や押し方を解説します。
⑥合谷(ごうこく)
合谷は手の甲側、親指と人差し指の間の溝を手首側に辿り、骨が交わる場所にあります。
合谷は大腸の原穴であり、強い止痛の作用があります。「お腹が痛いけど、すぐにはトイレへ行けない」という時におすすめです。また、ストレス緩和の効果も期待されるため、ストレスや緊張からくる下痢にも効果を発揮します。
合谷を押す際には、ツボに親指を置き他の指で挟むように刺激します。「痛いけれど気持ちがいい」強さで押し、5秒キープしましょう。ただし、妊娠中は子宮収縮を促す恐れがあるため、合谷の刺激を避けてください。
⑦魚際(ぎょさい)
魚際は親指を上にして、反対側の人差し指で手のひらと手の甲の境目をなぞると現れるくぼみにあります。
魚際は胃腸のはたらきを整える作用があり、食べ過ぎや飲み過ぎによる下痢の緩和に効果が期待されるツボです。また、魚際の位置に青筋が出ていたら、胃腸が弱っているサインです。消化器症状が気になる場合には魚際をチェックしましょう。
魚際を押す際には、親指で斜め上に向かって押し上げるように指圧します。1分程度、グリグリと円を描くように刺激しましょう。
下痢止めに効く《足》のツボ
下痢止めに効果が期待できる「足」のツボの場所や押し方を解説します。
⑧復溜(ふくりゅう)
復溜は内側のくるぶしから指3本分上にある、アキレス腱前側のくぼみにあります。
復溜は腎経のツボです。腎の機能が衰えると体の冷えや水分代謝の乱れが起こり、下痢を引き起こす可能性があります。復溜を刺激して腎を整えましょう。
復溜を押す際にはツボに親指を置き、ゆっくり押します。5回繰り返すのがおすすめです。
横内稚乃先生
鍼灸師
復溜のツボは冷え性の改善効果も期待できます。靴下を履く場合は復溜のツボより上、くるぶしが覆われる膝丈ぐらいのハイソックスがおすすめです。足首を保温することで胃腸の機能が整いやすく、下痢の症状が改善しやすくなります。
⑨足三里(あしさんり)
足三里はスネの外側にあります。膝の皿の下に人差し指がくるように手を当て、小指の先が足三里です。
足三里は胃経のツボのため、下痢をはじめとした胃腸の不調改善に効果が期待されています。ストレスや緊張が原因の下痢の時には足三里がおすすめです。
足三里を押す際はツボに親指を置き、ゆっくり押して指を離したら5秒休みます。これを両脚とも10回繰り返しましょう。
⑩陰陵泉(いんりょうせん)
陰陵泉は膝の内側にあります。膝の下にある大きな骨の下のくぼみが陰陵泉です。
陰陵泉は脾経に属し、水分代謝にかかわるツボです。冷えや消化不良が原因の下痢の時には、陰陵泉を刺激して水分代謝を整えましょう。
陰陵泉を押す際には親指をツボに置き、ゆっくり押します。両脚とも、3~4回繰り返しましょう。
下痢止めのツボを刺激する方法は?
下痢止めのツボを刺激する方法は「ツボ押しマッサージ」「セルフグッズで刺激」「セルフお灸やカイロで温める」の、3つがおすすめです。それでは、それぞれの方法を解説します。
ツボ押しマッサージ
下痢止めのツボを刺激する「ツボ押しマッサージ」の手順は以下の通りです。
- 逆手で足首をつかむ
- 親指の腹でツボを押す
- 5秒間押して3秒かけて離す
- 5回ほど繰り返す
下痢止めのツボ押しマッサージのコツは、「ゆっくり押してゆっくり離す」ことです。じっくり丁寧に押すと気の流れが改善し、胃腸の動きや水分代謝が整います。また、ツボ押しマッサージは「痛いけれど気持ちがいい」強さで押すこともポイントです。
セルフグッズで刺激する
下痢止めのツボは、セルフグッズで刺激することもおすすめです。ツボ押し棒やツボ押しローラーなど、持ち運びができるものや寝ながら刺激できるタイプなど種類が豊富です。身近なものでは、爪楊枝の頭側を使ってツボ押しをするのもよいでしょう。
刺激に慣れていない人は、「痛い」と感じる可能性があります。突起があまり鋭くないものや、自分で力加減を調節できるものを選びましょう。
セルフお灸やカイロで温める
下痢止めのツボを、セルフお灸やカイロで温めるのもよいでしょう。セルフお灸は、台座の裏がシールになっている「台座灸」がおすすめです。ただし、お灸を据えるのが禁じられているツボもあるため注意が必要です。
「ツボを正確に捉えられない」「火を使うのが怖い」という人は、カイロでツボの辺りを温めましょう。下痢は体の冷えが原因の1つです。下痢止めのツボを温めると、体がポカポカしてくるのを感じるでしょう。
横内稚乃先生
鍼灸師
カイロで下痢止めのツボを温める場合は低温やけどに注意しましょう。皮膚に直接カイロが当たらないようにして、下着や衣服の上から温めてください。長時間カイロを使用する時は、30分に1度ぐらいは下痢止めのツボから離すと、低温やけどの予防になります。
下痢に悩んだらツボ押しを試してみて
「下痢になってトイレから出られない」と悩んだときには、下痢止めのツボ押しをして痛みや症状を和らげましょう。普段から下痢気味の人は、下痢止めのツボのセルフケアが大切です。
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