前もも(大腿四頭筋)をほぐすストレッチ|腰痛に効果的!筋膜リリースの方法も
大腿四頭筋(だいたいしとうきん)は前ももの4つの筋肉の総称です。大腿四頭筋が硬いと、膝の痛みや腰痛の原因となるので注意が必要です。この記事では、大腿四頭筋のほぐし方を【ツボ押しマッサージ・筋膜リリース・ストレッチ】などに分けて紹介します。大腿四頭筋をほぐすストレッチの効果や硬い時のデメリットも紹介するので、参考にして下さい。
目次
- 大腿四頭筋はどこの筋肉?役割は?
- 太ももの前面にある筋肉
- 膝関節を支える役割がある
- 大腿四頭筋をほぐすストレッチ5選
- 大腿四頭筋のほぐし方①立って(座って)前ももを伸ばすストレッチ
- ①両足を揃えて立つ
- ②左足を曲げて左手で足首を掴む
- ③左膝の位置を右膝に合わせて前ももを伸ばす
- ④30秒程度キープ
- 大腿四頭筋のほぐし方②寝ながら前ももを伸ばすストレッチ
- ①正座から膝下を開きお尻を床につける
- ②肘をついて体を後ろに倒す
- ③さらに体を倒し背中を床につける
- ④手をあげて反対側の手の肘をつかむ
- ⑤90秒キープ
- 大腿四頭筋のほぐし方③膝立ちで前ももを伸ばすストレッチ
- ①膝立ちの姿勢から右足の膝を90度曲げる
- ②左足の位置を一歩分後ろに下げる
- ③左膝を曲げ左手で足の甲を掴む
- ④30秒キープ
- 大腿四頭筋のほぐし方④テニスボールで筋膜リリース
- ①うつぶせの姿勢で横になる
- ②テニスボールを前ももの下におく
- ③体を前後に動かし圧をかける
- 大腿四頭筋のほぐし方⑤ツボ押しマッサージ
- ①梁丘(りょうきゅう)を見つける
- ②椅子に座る
- ③親指をツボにあてて3回まわす
- ④真下に3秒間押す
- 大腿四頭筋をほぐす効果はある?硬いとどうなる?
- 大腿四頭筋をほぐす効果
- 大腿四頭筋が硬い時のデメリット
大腿四頭筋はどこの筋肉?役割は?
最初に大腿四頭筋の場所や役割について解説します。場所や役割を理解し、大腿四頭筋の凝りをほぐして柔らかくしておきましょう。
太ももの前面にある筋肉
大腿四頭筋は1つの筋肉を指す言葉ではなく、太ももの前側にある4つの筋肉の総称です。前ももの内側と外側には、それぞれ内側広筋、外側広筋があります。前側にあるのが太腿直筋です。太腿直筋の下には、インナーマッスルである中間広筋があります。
樋口友昭先生
柔道整復師
立位歩行である人間の身体を支える「足」。その足の中で1番大きな筋肉の集まりが大腿四頭筋です。健康で長生きするためにも非常に重要な筋肉ですね!
膝関節を支える役割がある
大腿四頭筋には、膝を支える役割があります(※1)。大腿四頭筋の1つである内側広筋が弱ると、膝の半月板や側副靭帯に負荷がかかり、膝の痛みの原因となります。
また大腿四頭筋の中でも太腿直筋は、股関節をまたいで骨盤に繋がっている筋肉です。そのため股関節を曲げる作用も持ちます。大腿四頭筋の他の3つの筋肉は股関節をまたいでいないため、膝関節を曲げる作用しかありません。
大腿四頭筋をほぐすストレッチ5選
太ももにある大腿四頭筋を緩めて前ももを柔らかくし、柔軟性を取り戻すために効果的なストレッチを3つ紹介します。簡単にできるため、柔軟性を高めるセルフケアにおすすめです。
大腿四頭筋のほぐし方①立って(座って)前ももを伸ばすストレッチ
立って行うストレッチです。立ったまま簡単に行えるので、仕事の合間に行うのもおすすめです。片足立ちでふらつく場合は、壁の近くで手で体を支えながら行いましょう。
①両足を揃えて立つ
両足を揃えて立ちます。
②左足を曲げて左手で足首を掴む
左足を曲げて左手で足首を掴みます。立ったままバランスを取るのが難しい場合は、座って行うこともできます。座って行う場合は、お尻を半分椅子に乗せた姿勢で膝を曲げて前ももを伸ばしてください。
③左膝の位置を右膝に合わせて前ももを伸ばす
左膝の位置を右膝に合わせて前ももを伸ばします。
④30秒程度キープ
30秒程度キープします。反対側も同様に行いましょう。
大腿四頭筋のほぐし方②寝ながら前ももを伸ばすストレッチ
ヨガの「仰向けの英雄座のポーズ」というもので、寝ながらできる簡単なストレッチです。前ももを伸ばす効果は高いものの、痛みがある場合は無理をしないようにしましょう。
①正座から膝下を開きお尻を床につける
正座をして膝下を開き、お尻を床につけます。
②肘をついて体を後ろに倒す
肘をついて体を後ろに倒しましょう。
③さらに体を倒し背中を床につける
さらに体を倒し、背中を床につけます。痛みがある場合は②の姿勢で止めるか、片足を伸ばした状態で行いましょう。
④手をあげて反対側の手の肘をつかむ
片手を頭の上にあげ、反対側の手の肘をつかみます。
⑤90秒キープ
90秒キープしましょう。片足を伸ばして行う場合は、足を替えてそれぞれ90秒キープしてください。
大腿四頭筋のほぐし方③膝立ちで前ももを伸ばすストレッチ
膝立ちの姿勢で行う簡単なストレッチです。バランスを取るのが難しい場合は、壁の近くで壁に手をついて行うとよいでしょう。
①膝立ちの姿勢から右足の膝を90度曲げる
膝立ちの姿勢から右足の膝を90度曲げます。
②左足の位置を一歩分後ろに下げる
左足の位置を一歩分後ろに下げます。
③左膝を曲げ左手で足の甲を掴む
左膝を曲げ、左手で足の甲を掴みましょう。足の甲に手が届かない場合は、タオルなどを使ってサポートしてください。体が丸まったり、反ったりしないように気を付けましょう。
④30秒キープ
30秒ほどキープします。反対側も同様に行いましょう。
大腿四頭筋のほぐし方④テニスボールで筋膜リリース
筋膜リリースによって硬くなった筋膜(筋肉を包む膜)をほぐし、前ももの筋肉の動きを回復します。ストレッチボールがなければ、テニスボールで代用できます。
①うつぶせの姿勢で横になる
うつぶせの姿勢で横になります。
②テニスボールを前ももの下におく
テニスボールを前ももの下におきましょう。
③体を前後に動かし圧をかける
体を前後に動かし圧をかけます。20~30秒から始めて、90秒くらい続けられるように慣らしていきましょう。バランスを取りづらい場合は、筋膜リリースをする足とは逆の足を横に開くと安定します。
つま先をつけたり浮かせたりすると圧の強さを調整できるため、痛みが強すぎないように調節してください。
大腿四頭筋のほぐし方⑤ツボ押しマッサージ
硬くなった前ももの凝りをほぐして緩めるツボは梁丘(りょうきゅう)です。大腿四頭筋の凝りをほぐして柔軟にするほか、胃痛や下痢止めの効果があるとされるツボです。
①梁丘(りょうきゅう)を見つける
はじめに、梁丘(りょうきゅう)を見つけましょう。梁丘は、膝の外側にあるぽっこりした骨から、太ももに向かって指3本分とった、人指し指にあたる部分です。
②椅子に座る
脚が椅子につく高さの椅子に座ります。
③親指をツボにあてて3回まわす
両手で両膝を包み込み、親指を梁丘のツボにあてます。そのまま、3回ゆっくりとまわしましょう。
④真下に3秒間押す
③の姿勢のまま、真下押し込むようにして、3秒ほど梁丘のツボを押します。この動作を3回繰り返しましょう。
大腿四頭筋をほぐす効果はある?硬いとどうなる?
大腿四頭筋が硬くなる原因は、大きく分けて2つあります。ハードな運動をして筋肉が緊張して硬くなる場合と、運動をほとんどしない場合です。急激なスタートとストップを繰り返すスポーツは大腿四頭筋にかかる負荷が大きくかかります。
では、硬くなった大腿四頭筋をほぐして柔らかくすると、どのような効果があるのでしょうか。凝り固まって硬い時のデメリットと合わせて解説します。
樋口友昭先生
柔道整復師
過剰な運動(オーバーユーズ)は使い過ぎて筋肉が疲労して硬くなることはイメージしやすいですね。記載の通り座った姿勢が長いことは運動不足なのですが「座っている姿勢を保っている」=「同じ張力を保ったまま筋肉を使っている」ということになり硬くなってしまいます。
大腿四頭筋をほぐす効果
・膝の痛みが和らぐ
・反り腰が原因の腰痛を防ぐ
・代謝が上がり痩せやすくなる
・冷え症の改善
大腿四頭筋を緩めると、前ももの筋肉が柔らかくなり柔軟性を取り戻せます。半月板や側副靭帯にかかる負担を小さくできるため、膝の痛みを和らげます。大腿直筋をほぐして緩めると反り腰も解消され、腰痛になりにくくなることもメリットの1つです。
前ももが柔らかくほぐれると、大腿四頭筋をしっかり動かせるようになります。大腿四頭筋が動き基礎代謝が上がれば、痩せやすくなるでしょう。基礎体温が上がり冷え症の改善にもつながります。
樋口友昭先生
柔道整復師
反り腰の要因として、大腿四頭筋は骨盤の前から付いているので、硬い状態(縮こまっている状態)だと骨盤が前に屈んでしまうため自然と腰が反ってしまう姿勢になります。四頭筋をほぐす事で姿勢の改善にも繋がるということです。
大腿四頭筋が硬い時のデメリット
・膝の痛みの原因になる
・腰痛の原因になる
・基礎代謝が落ちる
大腿四頭筋は、膝を支える役割がある前ももの筋肉群です。大腿四頭筋が硬くなって十分に機能しなくなると、半月板や側副靭帯にかかる負担が大きくなり、膝の痛みが生じます。
また、大腿四頭筋のうち、大腿直筋は骨盤の前面に繋がっている筋肉です。大腿直筋が硬くなると骨盤が前に引っ張られ、反り腰の原因にもなります。反り腰は腰の筋肉に負担をかけ、腰痛の原因となるのです。
大腿四頭筋は大きな筋肉で基礎代謝にも影響します。運動不足で前ももが硬くなっている人は、大腿四頭筋の筋肉が弱っているため、基礎代謝が落ちることがあります。
樋口友昭先生
柔道整復師
「基礎代謝」とは1日何もしていなくても呼吸をしているだけで勝手に消費するカロリーのことを言います。筋肉量が多ければ多いほど基礎代謝は高くなり、1日に消費するカロリーが多くなります。
大腿四頭筋をほぐして柔らかくしよう
大腿四頭筋が硬くなると膝や腰の痛みに繋がります。大腿四頭筋を柔らかくほぐして、痛みが生じにくい体を目指しましょう。
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