巻き肩と猫背の違いは?見た目や症状が違う?原因・治し方も紹介!
巻き肩と猫背の違いを知っていますか?どちらも姿勢の悪さが原因です。よく似ているため、違いがわからない人も多いでしょう。今回は、巻き肩と猫背の<見た目・症状>などの違いを紹介します。巻き肩・猫背の原因や、治し方も紹介するので参考にしてみてください。
目次
- 巻き肩と猫背の違いは?どうやって見分ける?
- 巻き肩と猫背の違い①見た目
- 【巻き肩】の見た目の特徴
- 【猫背】の見た目の特徴
- ただし巻き肩・猫背が同時に起こる場合もある
- 巻き肩と猫背の違い②症状
- 【巻き肩】に特有の症状
- 【猫背】に特有の症状
- 【巻き肩・猫背】に共通する症状
- 巻き肩・猫背になる原因は何?
- 【巻き肩】になる原因
- 【猫背】になる原因
- 巻き肩・猫背の治し方は?【筋トレ・ストレッチ編】
- 巻き肩改善におすすめの筋トレ・ストレッチ①肩甲骨
- 巻き肩改善におすすめの筋トレ・ストレッチ②テーブルトップ
- 猫背改善におすすめの筋トレ・ストレッチ③膝を抱えるストレッチ
- 猫背改善におすすめの筋トレ・ストレッチ④腰丸めストレッチ
- 巻き肩・猫背改善におすすめの筋トレ・ストレッチ⑤ヒップリフト
- 巻き肩・猫背の治し方は?【生活習慣編】
- 【巻き肩】を治す生活習慣
- 【猫背】を治す生活習慣
- 巻き肩・猫背は矯正ベルトや整体でも治るの?
- 巻き肩・猫背は矯正ベルトや整体による改善が期待できる
巻き肩と猫背の違いは?どうやって見分ける?
「巻き肩」と「猫背」はパソコンやスマートフォンの普及で近年増加しています。どちらも姿勢の悪さが原因で、肩こりや腰痛、頭痛などを伴う場合もあります。よく似ているため、違いがわからない人は多いでしょう。違いや見分け方を説明していきます。
巻き肩と猫背の違い①見た目
巻き肩と猫背の違いはなんでしょうか。見た目で見分けられます。骨盤の歪みが関係しているため、反り腰になる人もいます。自分がどちらに当てはまるのか、チェックしてみましょう。
【巻き肩】の見た目の特徴
- 鏡で横から見たとき肩の位置が前に出ている
- 肩甲骨が広がり肩の横のラインが丸く見える
- 胸が垂れデコルテが縮んで見える
- 顎が前に出てしまう傾向がある
巻き肩は肩が身体の前側に入っているのが特徴です。横から見たときに、肩の位置が前に出ていることで気が付きます。肩が前に入ると左右の肩甲骨が広がってしまいます。そのため、肩のラインが横に丸く見えてしまうのです。
巻き肩になると胸が垂れてデコルテが縮んで見えるので、実際よりも老けて見えてしまうことがあります。他にも、巻き肩で前かがみの姿勢が続くと、骨盤が前傾して反り腰になる可能性が高まってしまいます(※1)。
【猫背】の見た目の特徴
- 鏡で横から見たとき背中が丸まっている
- 首が前に傾いている
- 反り腰になっている
- 胸が垂れる
猫背は、横から見たときに背中が縦に丸まっているのが特徴です。首が前に傾き頭が下向きのため、落ち込んで自信がないように見えることもあります。猫背で骨盤が前傾した結果、反り腰を併発している人も多いです。
ただし巻き肩・猫背が同時に起こる場合もある
- 立ち上がったときに手の甲が前を向く
立ち上がったときに手の甲が前を向いている場合、巻き肩と猫背が同時に起きている可能性があります。「初めは巻き肩だったのに、いつの間にか背中も丸まっていた」と巻き肩と猫背を併発するケースは少なくありません。
當銘梨沙先生
柔道整復師
猫背も巻き肩も日常の癖が原因でなることが多いです。自分の状態が猫背なのか巻き肩なのかわかりづらい場合は専門の方に診てもらい、コツコツと毎日セルフケアをして肩こりなどの症状が出ないようにしていきましょう。
巻き肩と猫背の違い②症状
巻き肩や猫背になると、肩こりや首こり、頭痛、眼精疲労などの身体の不調を引き起こします。他にも、睡眠の質が悪くなり、集中力や判断力の低下、ストレスの増加などの悪影響を引き起こすことも考えられます。
その結果、身体や心の不調から、自律神経失調症に至ることもあるのです。次に、巻き肩、猫背に特有の症状をそれぞれ紹介します。
【巻き肩】に特有の症状
- 仰向けに寝ると両肩がベッドから浮く
- 呼吸がしづらい気がする
- 疲れやすくなる
- むくみやすくなる
巻き肩の人は、肩が身体の前に出ているため、仰向けに寝ると両肩がベッドから浮きます。肩が正しい位置にないため、肩周辺の血行が悪くなり、肩の付け根辺りや首などにコリを感じやすくなります。頭痛を伴う場合もあります。
巻き肩になると、呼吸が浅くなる特徴があります。これは、胸の筋肉が収縮し、肺が圧迫されるからです。呼吸が浅くなると、身体に酸素が十分に行き渡らず疲れやすくなったり、鎖骨周辺のリンパの流れが悪くなってむくみを起こしやすくなったりします。
【猫背】に特有の症状
- 腰痛や坐骨痛がある
- 視力が落ちる
- 座るとき背もたれに寄りかかるくせがある
猫背の人は、腰痛や坐骨痛を感じます。身体の軸である脊椎は、頚椎、胸椎、腰椎で構成されています。姿勢や動きを保つには、この3つが上手くバランスを取らなければなりませんが、猫背になるとそのバランスが崩れて腰椎に負担がかかり、腰痛や坐骨痛を感じます。
背もたれに寄りかかって座るくせがあるのも、猫背に特有の症状です。背中の筋力が低下しているために、背もたれに寄りかかろうとしてしまいます。その時、骨盤から下は前方に、上半身は後ろに残るので、骨盤が後ろに傾いて腰痛を招く恐れもあります。
視力低下も猫背特有の症状です。猫背の人はストレートネックを併発することも多く、目のピントを合わせる視神経が圧迫してしまいます。その結果、眼精疲労や視力低下を引き起こすのです。眼精疲労は、肩こりや頭痛の原因にもなるので、注意が必要です。
【巻き肩・猫背】に共通する症状
- 思考・判断力の低下
- 自律神経の乱れ
- 肩こり、腰痛
- 頭痛
- 消化不良・便秘
巻き肩や猫背に共通する特徴には、血流悪化による体のコリや、自律神経の乱れが挙げられます。パソコン作業などが原因で背中や肩が前傾になると、筋膜や筋肉が緊張して血行不良になります。
さらにその筋肉の緊張で神経が圧迫されると、自律神経も乱れるというメカニズムです。血行が悪くなると、肩こりや首こり、頭痛も引き起こします。他にも、胸部の筋肉が緊張すると、腹部が圧迫されて消化不良や便秘など内臓にも影響が出ることもあります。
名倉直重先生
整形外科医
どちらも不良姿勢により身体の関節への負荷がかかり様々な障害が起こる可能性があります。生まれもった骨格である場合もありますが、ストレッチや筋トレをしたり日々の姿勢を気をつけることでそれら障害を予防できることが見込めます。日頃から対処することがポイントです。
巻き肩・猫背になる原因は何?
巻き肩や猫背は姿勢の悪さからくるものです。では、何が原因で姿勢が悪くなるのでしょうか。巻き肩や猫背になりやすい原因をみていきましょう。
【巻き肩】になる原因
- 長時間のパソコン作業
- 長時間のスマホ操作
- 横向きに寝る
巻き肩の原因として、長時間のパソコン作業やスマホ操作が挙げられます。集中するとついつい、画面を覗き込むように肩を丸めこんだ姿勢になっていませんか?肩を丸めこんだ状態が続くと、筋肉や筋膜がこわばり元の姿勢に戻りにくくなります。
デスクワーク業務やスマホ操作の時間が長い人は気を付けましょう。横向きに寝ることも、巻き肩の原因の1つです。「仰向けよりも楽」と横向きに寝る人も多いですが、横向きに寝ると上半身の体重は肩に集中して大きな負担がかかってしまいます。
体は肩への負担を減らそうと、無意識に肩を前側にスライドして、巻き肩になってしまうことがあります。
【猫背】になる原因
- 長時間同じ姿勢でいる
- 座っているときの姿勢が悪い
- 胸式呼吸をしている
- 運動不足
長時間同じ姿勢でいることが、猫背の1番大きな原因です。パソコン作業やスマホ操作の際に、長時間同じ姿勢で座ったまま、寝たままでいませんか。同じ姿勢を続けると、筋肉が緊張し身体が歪みやすくなります。適度に体勢を変えるように心がけましょう。
他には、胸式呼吸の人も猫背になりやすいので、注意が必要です。胸式呼吸とは、腹式呼吸とは異なり、胸回りで呼吸をすることをいいます。
胸式呼吸を続けると、身体を支える横隔膜の筋肉の働きが悪くなって、姿勢悪化につながります。少しずつでも構わないので、腹式呼吸を取り入れてみましょう。
巻き肩・猫背の治し方は?【筋トレ・ストレッチ編】
同じ姿勢を続けることで起こる巻き肩や猫背は、筋トレやストレッチで改善されます。身体の歪みには、こり固まった筋肉や筋膜をほぐしたり、筋肉を鍛えて体幹を強くすることが有効です。巻き肩や猫背の改善に効果的な筋トレやストレッチを5つ紹介します。
パソコンやスマホを使っている時に肩こりや腰痛、頭痛などを感じたときに試してみましょう。すっきりするはずです。
巻き肩改善におすすめの筋トレ・ストレッチ①肩甲骨
肩甲骨エクササイズは、デスクワーク中にも気軽にできます。パソコン作業でこり固まった筋肉や筋膜をほぐしてくれます。
- 手を背中側で組む
- そのまま肩甲骨を引き寄せる
- 深呼吸を10回する
- 鼻から吸って口から吐くことを意識する
手を背中側で組んだらなるべく下に下げます。肩甲骨を引き寄せながら深呼吸をすると、肺が広がって呼吸がしやすくなったのを感じるはずです。顔を上げて、肺いっぱいに空気を吸い込みましょう。深呼吸するときには「鼻から吸って口から吐く」を意識します。
巻き肩改善におすすめの筋トレ・ストレッチ②テーブルトップ
巻き肩の改善には背中の筋力アップも効果的です。テーブルトップエクササイズは、背中を鍛えて肩甲骨を引き寄せる筋力を養います。
- 両膝を90度くらいに曲げて座る
- 脚は腰幅くらいに開いて安定させる
- 手は肩幅くらいに開き指先は斜め外側
- 肩甲骨を引き寄せながらお尻を持ち上げる
- この姿勢を30秒キープ
お尻を持ち上げるときには、背筋を伸ばして手の平で床を押すようにします。足裏で床を強く押して、胴体から膝まで真っすぐ保ちます。肩を床の方向に下げて胸を開き、テーブルのようになることを意識しましょう。首を痛めないよう顎は引いておきます。
猫背改善におすすめの筋トレ・ストレッチ③膝を抱えるストレッチ
寝たままできる簡単トレーニングです。テレビを観たり音楽を聴いたりしながら、自宅でできます。
- 仰向けに寝る
- 両手で膝を抱える
- そのまま30秒キープ
キープ中、呼吸を止めないよう注意します。もう少し負荷をかけたい場合は、両手で膝を抱えたら頭を上げてみましょう。このとき、腹筋に力を入れるよう意識すると効果的です。
猫背改善におすすめの筋トレ・ストレッチ④腰丸めストレッチ
座ったままできるストレッチです。デスクワークの休憩中に試してみましょう。
- 椅子に浅く腰掛け背筋を伸ばす
- 息を吐いてお腹をへこませる
- 5秒数えながら腰を丸める
- 息を吸いながら5秒かけて腰を戻す
- 10回繰り返す
しっかり背筋を伸ばし、背もたれによりかからないようにします。腰を戻すときには頭を真上に上げることを意識すると効果的です。初めは腰の硬さを感じるでしょう。繰り返すうちに筋肉や筋膜が緩み、少しづつ腰が丸まるはずです。
巻き肩・猫背改善におすすめの筋トレ・ストレッチ⑤ヒップリフト
巻き肩・猫背どちらにもおすすめしたいのが、ヒップリフトです。正しい姿勢を維持するためには筋肉が必要です。しかし、いきなり負荷をかけすぎると逆効果のため、負荷の少ない筋トレから始めましょう。
- 仰向けに寝て膝を立てる
- 両手を床につける
- 息を吐きながらお尻を持ち上げる
- 息を吸う
- 息を吐きながらお尻を下ろす
お尻を持ち上げるときには背中側に力を入れ、肩から膝が一直線になるまで持ち上げます。腰を反らせず、背中の筋肉全体で持ち上げることがポイントです。背中、お尻、太腿の裏の筋肉を刺激します。筋肉がしっかり伸びていることを感じましょう。
巻き肩・猫背の治し方は?【生活習慣編】
巻き肩や猫背の改善には、生活習慣の見直しも必要です。意識するだけでも変わります。巻き肩・猫背の改善に効果的な生活習慣をみていきましょう。
【巻き肩】を治す生活習慣
- 長時間同じ姿勢にならない
- 前かがみにならない工夫をする
- スマホ操作では下向きの姿勢を防ぐ
- 肩甲骨を引き寄せる意識をする
- 横向きにならないよう寝方に気をつける
巻き肩を直すためには、長時間同じ姿勢にならないことが大切です。定期的に席を立ち簡単なストレッチや、気が付いたときに姿勢を改善しましょう。また、デスクワークで前かがみになるのを防ぐために、パソコンの高さを調節するのもおすすめです。
巻き肩改善には肩甲骨の引き寄せが効果的です。隙間時間でも簡単にできます。寝方にも気をつけましょう。横向きは肩に負担がかかるため、できるだけ避けます。
【猫背】を治す生活習慣
- 長時間同じ姿勢にならない
- 前かがみにならない工夫をする
- 長時間のスマホ操作をしない
- 運動不足にならないようにする
猫背の改善には、長時間同じ姿勢でいないようにします。適度に休憩を取りながら肩甲骨周りのストレッチや肩回しをすると、筋肉や筋膜が硬くなるのを予防できます。前かがみにならないようにパソコンや作業台の高さを調節しましょう。
猫背は運動不足が原因であることも考えられます。筋力の衰えが猫背を引き起こします。無理のない程度に簡単な筋トレやストレッチで筋肉を鍛えるのもおすすめです。
名倉直重先生
整形外科医
良い姿勢でいると、運動生理学的に身体の各関節に余計な負荷がかかりにくい状態を保てます。良い姿勢とは①頭部がまっすぐ②胸は前に③両肩は後方へ張り③お腹は引っ込んだ状態です。 姿勢が良いと見た目も美しいですね。
巻き肩・猫背は矯正ベルトや整体でも治るの?
巻き肩や猫背の改善用に矯正ベルトが販売されていたり、「整体で巻き肩や猫背が改善した」と耳にしたりします。本当に効果があるのか気になるでしょう。矯正ベルトや整体ついて説明していきます。
巻き肩・猫背は矯正ベルトや整体による改善が期待できる
巻き肩や猫背は、矯正ベルトや整体によって改善する可能性があります。ただし、矯正ベルトは、使うだけで改善するものではありません。着用して腰、肩、背筋を支えて正しい姿勢を意識づけさせるものです。
整体は身体の歪みを整える施術です。筋肉や筋膜をほぐしながら身体のバランスを整えてくれます。しかし、効果を感じるまでの回数は人それぞれです。何度か続けて通うことで効果を感じられるでしょう。整体は保険適用外です。受診する際には注意しましょう。
巻き肩・猫背の違いを押さえておこう
巻き肩と猫背の違いは、丸まっている場所です。巻き肩は肩、猫背は背中が丸まっているのが特徴です。どちらも肩こりや腰痛、頭痛など身体の不調の原因になります。
巻き肩・猫背の違いを押さえ、自分はどちらタイプなのかチェックしてみましょう。普段から正しい姿勢を意識して、運動やストレッチで筋肉や筋膜をほぐすことが大切です。
名倉直重先生
整形外科医
テレワークやスマホの普及でますます巻き肩や猫背になりやすい時代になったといえます。自分の骨格を知り、日頃から姿勢に気を付けたりストレッチをこまめにすることの重要性は増していると思います。
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